ベラルーシ:数週間で3人の死刑執行

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2016年12月 8日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ベラルーシ
トピック:死刑廃止

ベラルーシでは死刑囚が4人いるが、11月にそのうちの3人の死刑が執行された。アムネスティが地元の活動家に確認してわかった。

この執行を受けて、アムネスティは同国に死刑を廃止させることを目指してオンライン署名活動を開始した。動画も掲載した。ベラルーシは、ヨーロッパと旧ソ連の中で、いまだに死刑を執行している唯一の国である。

同国の死刑執行は通常、秘密裏に行われ、執行はその直前に発表される。

今回の立て続けの執行は、ヨーロッパで唯一の死刑執行国の行動として予想外だった。多くの人びとが、ベラルーシは死刑を永久にやめる方向に向かっていると信じていたからだ。

ベラルーシのNGOビアスナによると、3人の執行はすべて後頭部への銃撃だった。残る1人の死刑囚は、5月19日に死刑判決を受けて以来、危うい状況にある。

11月29日、3人のうちの1人の家族が首都ミンスクのシゾ第一刑務所へ面会に行き、最近処刑されていたことがわかった。家族は、刑務所を訪問する前、1カ月以上も手紙を受け取っていなかったが、刑務所管理局は、彼に対する送金を受けつけていた。彼は少なくとも2人を殺害した罪で死刑判決を受け、5月6日に最高裁で死刑が確定した。

2人目は、5月29日に殺人と窃盗の罪で死刑が確定し、11月5日に処刑された。3人目は、1月5日に、パートナー殺害で死刑判決を受け、11月に処刑されたという。この数日中に娘が刑務所に出向いたおりに、状況が判明する。

ベラルーシは2014年11月以降、これまで長期間、まとまった人数を執行してこなかった。今年4月に1人の執行があっただけであった。

ベラルーシでは死刑囚は通常、前もって執行を知らされないため、直前に面会することができない。法律に従い、執行後の遺体は家族に戻されず、埋葬場所は公表されない。

多くの場合、刑務所で使っていた靴や囚人服が入った包みを受けったときに初めて、その死を知る。その後、当局から、死亡証明書の受け取りを求められる。

ベラルーシにおける死刑に関する統計は、国家機密である。死刑をめぐる秘密主義は、死刑囚とその家族に対する、残酷かつ非人道的で品位を傷つける処遇である。

ベラルーシ当局は、死刑そのものの不正義を恐ろしいほどに利用している。この法制度により、死刑囚の家族は、計り知れないストレスを受ける。

アムネスティの今回の署名活動では、ベラルーシに対して、死刑廃止に向けて即時執行停止に踏み切り、ヨーロッパや世界の大多数の国々に加わるように呼びかけている。

アムネスティ国際ニュース
2016年11月30日

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