- 2021年9月21日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ベラルーシ
- トピック:
ベラルーシで9月6日、昨年の反政府運動を率いたマリヤ・コレスニコワさんと盟友の弁護士マキシム・ズナクさんがそれぞれ10年と11年の実刑判決を言い渡された。2人は、法に照らしてなんの罪も犯しておらず無実を主張していたにもかかわらず有罪となり、表現の自由にとっての最悪の結果となった。
昨年8月の大統領選挙で、現職のルカシェンコ大統領が、対立候補スベトラーナ・チハノフスカヤさんを破り、「地すべり的勝利」を宣言した。この選挙結果をめぐり、全土で抗議の声があがった。
大統領選挙期間中、チハノフスカヤさんの選挙運動を支えたのがコレスニコワさんで、選挙結果への抗議でも中心的存在になっていた。大統領選挙から1カ月後の9月に拉致され、連れて行かれた国境で出国を命じられたが、自ら旅券を破り捨てて出国を拒否した。その2日後、反政権活動をするズナクさんも拘束された。
2人は、権力掌握を企てた罪、過激派思想を持っていた罪、国家安全保障上の脅威となった罪で有罪になった。いずれの容疑も根も歯もないでっち上げだった。審理はわずか1月あまりで終わり、裁判文書は機密扱い、弁護人らも口外を禁じられている。
コレスニコワさんが、旅券を破いてまで国内に踏みとどまった勇気を、人びとは決して忘れない。表現の自由と個人の尊厳へのゆるぎない信念は、世界中の人びとの希望の灯となっている。2人が取り組んできた抗議行動は、いかなる当局の圧力にも屈することはないだろう。
今回の有罪判決は、あまりに不当であり、覆されなければならない。同時に、アムネスティは、人権を行使しただけで拘束・収監されている何百人もの市民の即時釈放を求める。
国際社会は、市民社会や抗議運動に容赦ない弾圧を続けるルカシェンコ政権に、あらゆる手段を使い、圧力をかけていかなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2021年9月6日
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