- 2025年12月16日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ベラルーシ
- トピック:

12月13日、ベラルーシ当局が収監されていた123人を釈放した。この中には、アムネスティが釈放を求めてきたノーベル平和賞受賞者のアレス・ビアリツキさん(写真右)やマリヤ・コレスニコワさん(写真左)も含まれている。
マリヤ・コレスニコワさんとアレス・ビアリツキさんが釈放されたという報告を歓迎する。しかし今回の釈放は、発言しただけで何百人、いや何千人もの人びとが今も獄中で苦しんでいる体制を消し去るものではない。また、マリアさんやアレスさん、そして1日たりとも投獄されるべきでなかったすべての人に対する正義が実現したわけでもない。
ベラルーシ政府は、コレスニコワさん、ビアリツキさん、そして釈放されたすべての人びとに対し、苦難に対する完全な賠償を行うべきだ。そして不当な投獄に関与した疑いのあるすべての当局者は、その地位の高低を問わず、責任を問われなければならない。
さらに、釈放が大幅に遅れている他の人たちのことも忘れてはならない。今回の釈放が政治的取引の一部であるならば、それは人びとを駒として扱うベラルーシ当局の冷酷な姿勢を浮き彫りにするだけだ。釈放された人たちや彼らと同様の境遇にいる人たちの運命が密室での取引に左右されることは、決して許されない。マルファ・ラブコワさん、ナスタ・ロイカさん、そして政治的な理由で不当に投獄されているベラルーシの無数の囚人たちは釈放されなければならない。
背景情報
12月13日、ベラルーシ当局は米国との間で肥料生産原料のカリウム輸出に対する同国への制裁緩和に関する合意に達した後、野党政治家マリヤ・コレスニコワさんやビアスナ人権センター創設者の人権擁護活動家アレス・ビアリツキさんなど、囚人123人を釈放した。ビアナス人権センター副代表のヴャリャンツィン・ステファノヴィッチさん、同組織の弁護士ウラジミール・ラブコヴィッチさん、コレスニコワさんの盟友マキシム・ズナクさんも釈放されたと報じられている。
2020年9月7日、マリヤ・コレスニコワさんは2020年9月7日、覆面捜査官に拉致されウクライナ国境へ連行されたが、パスポートを破り国外退去に抵抗した後に消息を絶った。後に「国家安全保障に害をなした」などでっち上げの罪に問われて、2021年9月6日に懲役11年の判決を受けたことが判明した。
アレス・ビアリツキさんは2023年に、「脱税」および「公序良俗に反する行為への資金提供」の罪で有罪判決を受け、流刑地で10年の刑期に服していた。政治的な理由で科された罪だと、広く見られている。
アムネスティ国際ニュース
2025年12月13日
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