ベラルーシ:デモ参加者多数を拘束 弾圧激化

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2017年3月17日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ベラルーシ
トピック:

3月11日・12日、ベラルーシで全国的なデモがあり、参加者多数が拘束された。表現の自由、平和的な集会の自由に対する国の弾圧は、ますます激しくなっている。

デモは、バブルイスク、コブルィン、ブレスト、ルニネツ、マラジェチナの各市であり、報道によると、市民団体の幹部やフリーランスの記者など、少なくとも48人のデモ参加者が、拘束された。デモは、失業者に課されるいわゆる「社会的寄生者税」に抗議するために企画され、参加者は、「私たちは、たかり屋ではない!」と訴えた。

基本的な自由が抑圧されているベラルーシでは、今回のような大規模なデモはここ数年なかっただけに、当局には脅威となったようだった。

失業税を課すことは、大きな議論を引き起こしている。政府は当初、デモに寛大な態度で臨んでいたが、やがていつもの弾圧・拘束という対応に転じた。激しくなるばかりの弾圧は憂慮すべき事態であり、政府批判に対して恣意的な拘束で応じることは、即刻、やめるべきである。

ベラルーシ当局は、自分の意見を果敢に表明しただけの、平和的な反体制派の人びとを厳しく取り締まるべきではない。国がすべきは、デモ参加者の拘束ではなく、集会の自由、表現の自由の権利の尊重である。同国は、平和的な反政府デモで検挙されたすべての市民を、直ちに釈放しなければならない。

背景情報

2月中旬、数十万人の失業者に、「社会的依存防止大統領令」にもとづく納税通知が届いたことが、彼らの怒りに火をつけ、全土的デモの引き金となった。この法令は、2015年、政府が「社会的寄生者」と呼ぶ失業者に対処するために採択したもので、失職後6カ月以上なんの納税もしていない市民に、新たに税を課すことを定めていた。支払いは一括で、460ベラルーシ・ルーブル(245米ドル)である。支払わなければ、行政に身柄を拘束され、社会奉仕を科される。一種の強制労働と言えなくもない。

デモが拡大した当初、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、「法令の施行を1年間保留して見直したい」と発表していた。初めは拘束された参加者はいなかったとはいえ、少なくとも18人が警察の尋問を受け、裁判官から無許可の集会に出席したとして行政法上の罰金を科された。

3月10、11、12日、各地でデモがあり、主催者や参加者、ジャーナリストら48人以上が拘束された。

11日には、マラジェチナの裁判所は、無許可の集会に参加した罪で、活動家のユリー・ハバレビッチさん、アナトール・リアベズカさん、ヴィタル・リマシウスキさんに15日間の行政拘禁、活動家のボルハ・カヴァルコワさんに5日間の行政拘禁を言い渡した。また他の11人が、行政罰金を科せられた。

3月12日には東部のヴォルシャで、野党指導者数人とジャーナリスト3人以上が拘束された。その中には、かつて投獄されアムネスティが釈放を訴えていたパベル・セバルネツさんもいた。拘束された人たちは、週明けの裁判を待っていた。

活動家のアンドレイ・デニュシュキンさん、ルスラン・カリカウさん、ズミツェル・レヴチュクさん、ウラジミール・アシンチャクさん、カンスタンチン・コパットさん、ブロガーのズミツェル・ガルブノウさん、シャルヘイ・ペトルーヒンさんらの裁判もまた、同時期に西部の都市ブレストで予定されている。

アムネスティ国際ニュース
2017年3月13日

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