- 2017年6月14日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:モロッコ/西サハラ
- トピック:
モロッコ北部のリーフ地方でこの数カ月、地域の住民サービスの改善を求める抗議行動が続く中、5月末、当局は抗議参加者、活動家、ブロガーらを大量に逮捕した。
リーフ地方では、抗議行動を率いるナセル・ゼフザフィさんが5月26日に、抗議に反対する発言をした聖職者を批判したことをきっかけに、抗議行動が相次いでいた。批判する様子を撮った動画がソーシャルメディアで流された数日後、ゼフザフィさんは逮捕された。
5月26日から31日にかけて、複数の町で抗議活動があり、少なくとも71人が逮捕された。治安部隊はデモ隊に対して、時に放水銃や催涙ガスを使った。参加者の中には、投石する人もいた。双方に負傷者が出たようだった。逮捕された人たちの中には、平和的に抗議する人やソーシャルメディアでこの様子を伝えようとするブロガーもいた。
現在は少なくとも33人が起訴され、裁判を待っている。容疑には、公務執行中の職員に対する暴力、侮辱、投石、反乱、また無許可での集会もあった。勾留中の26人に、釈放は認められなかった。また、裁判は6月6日に延期された。彼らはアルホセイマの刑務所に拘束されている。
弁護士によれば、検察官の前に引き出された数人のデモ参加者の顔や体には、明らかな傷があった。逮捕時と警察への移送時、警官から殴るなどの暴行を受けたということだった。
拘束された71人のうち31人は、国家司法警察旅団の取り調べを受ける。同旅団は警察組織の一部署で、テロなど国家の治安に関わるような重大な犯罪を扱う。この組織が関わると、被疑者らが重大な罪に問われる懸念が出てくる。
同国の刑事訴訟法では、被疑者の勾留は、通常犯罪では3日間、重大犯罪では8日間、テロ関連では12日間まで可能だ。さらに、当局に、被疑者の弁護士との面会を先送りする裁量も認める。
同国では現在、刑事訴訟改革が論議されているが、アムネスティは、取り調べ中の、弁護人の立ち会いを認めることを当局に要請してきた。
当局が表現・集会の自由の権利を尊重することは絶対である。起訴された被疑者にも公正な裁判を受ける権利がある。この権利は、決して侵害されてはならない。当局はまた、平和的に抗議参加者が、捏造された容疑で起訴・処罰されるようなことがないようにしなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2017年6月2日
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