エジプト:同性愛犯罪法案 嫌悪に拍車

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2017年11月15日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:エジプト
トピック:性的指向と性自認

60人を超えるエジプトの国会議員により、同性愛を犯罪とする著しく差別的な法案が提出された。この種の法案は、同国では初めてとなる。

法案では「同性愛」が初めて定義され、また最高5年の実刑という厳しい罰則が盛り込まれている。きわめて差別的なこの法案は、同国の人権を守る闘いを著しく後退させ、同性愛者の権利を葬り去ろうとするものだ。

もしこの法案が通れば、性的指向を理由に不名誉な烙印を押され、虐待される人びとがさらに増えるだろう。何びとも、その性的指向を理由に差別や脅迫を受けたり、処罰されることがあってならない。政府はただちにこの法案を破棄し、同性愛嫌悪による相次ぐ迫害に歯止めをかけなければならない。

リベラル派の政党、自由エジプト人党の国会議員が、少なくとも67人の議員の署名を集めてこの法案を提出した。法案は今期の国会で審議される予定で、審議が通れば大統領に回されて最終判断となる。

法案によると、同法案が同性愛行為と定める同性間の性的関係を持った場合、また、同行為を奨励もしくは扇動した場合、いずれも最高5年の刑を受ける。

また同法案は、音声や映像やソーシャルメディアを通し、LGBTI(レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、インターセックス)の集会の案内・宣伝も禁じている。LGBTIのロゴやシンボルの表示、グッズ等の制作・宣伝・販売・その他のマーケティングを行った場合も、最高3年の刑に処される。

さらに同法案は、有罪となった人の名前と受けた刑を二大全国紙に掲載して辱める行為を当局に認めており、同性愛者への嫌悪をさらにあおろうとしている。

アムネスティ国際ニュース
2017年11月9日

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