イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ:16才のパレスチナ人活動家を釈放せよ

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2018年1月22日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
トピック:

先月、被占領ヨルダン川西岸地区でイスラエル軍兵士との諍いで暴力をふるい、逮捕・勾留された16才のパレスチナ人活動家が、最大10年の実刑を受ける可能性がある。弁護士によると、彼女は長時間、時には深夜におよぶ過酷な尋問を何回か受けたという。イスラエル当局は、直ちに彼女を釈放すべきである。

被占領ヨルダン川西岸地区のナビ・サレ村に住むアヘド・タミーミさんは、12月15日、自宅入口にいた兵士2人に、突き、平手打ち、蹴りなどを加えた。その様子を撮った動画がフェイスブックで拡散された。動画を見る限り、兵士2人が、アヘドさんが繰り出した手や足を払いのけるのは、容易だった。

一方、動画を見た多くのイスラエル人が激怒し、ナフタリ・ベネット教育相は軍のラジオ放送で、「死ぬまで監獄暮らしだ」と言い放った。

4日後、タミーミさんは、米トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めことに対する抗議デモに参加し、逮捕された。その日、従弟のムハンマド・タミーミさん(15才)が、兵士により至近距離から放たれたゴム弾を頭部に受け、重傷を負うという事件があった。

1月1日、タミーミさんは12件の容疑で起訴された。兵士に対する「悪質な暴行」や公務執行妨害のほか、ソーシャルメディアでの煽動、過去の兵士とのトラブル5件に関わる容疑などである。

イスラエル当局の激しい抑圧を前に果敢に抵抗した少女に長期の刑を下すならば、受け入れがたい司法の茶番である。そもそも裁判を行う軍事法廷は、公平な裁判基準の基本を満たしていない。

毎年、未成年者対象の軍事法廷でパレスチナの子どもたち数百人が起訴され、地元の人権組織によると、刑務所や拘置所に現在、約350人が収監されている。

タミーミさんの兵士に対する行為で、何日も勾留するのは不当である。当局は、直ちに釈放すべきである。武装した兵士に、少女が素手で対抗したのは、兵士の脅威にはなっておらず、罪を問うのは不当である。

アムネスティ国際ニュース
2018年1月15日