ベラルーシ:最高裁 死刑執行を停止

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2018年6月20日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ベラルーシ
トピック:死刑廃止

ベラルーシの最高裁は、イハル・ヘルシャンコウさんとシャミオン・ベラジョノイさんの死刑執行を停止するとともに、判決の見直しを命じた。前例のない決定である。2人は上告中だった。

欧州でただ一国、死刑を執行してきた国の今回の決定は、極めて大きな意味を持つ。アムネスティの調べでは、同国の最高裁がこれまで、死刑の執行を停止したことはない。

ベラルーシは、長年、死刑廃止に向けた議論をしてきたが、今回の決定は、有言実行の段階に入るのではないかという期待を抱かせる。今後も裁判の動向を注視していきたい。アムネスティは、ベラルーシに対して、この決定を契機にすべての死刑囚の執行を停止し、死刑判決を減刑することを強く求める。

背景情報

同国の最高裁は、1994年以降、すべての死刑判決を支持してきた。

イハル・ヘルシャンコウさんとシャミオン・ベラジョノイさんは昨年7月、財産目的で6人を殺害した罪で、地方裁判所で死刑判決を受けた。最高裁は2017年12月20日、この有罪判決と死刑判決を支持し、それ以降、2人は執行が差し迫った状態に置かれていた。アムネスティは、2人の減刑を訴えると同時に、大統領に対し、死刑廃止を視野に入れた、死刑執行停止措置を求める運動をしてきた。

当局は、執行停止を前提にした取り組みを進めていると断言する一方で、世界の死刑廃止への動きをあからさまに軽視してきた。死刑は残虐、非人道的かつ品位を傷つける究極の刑罰であり、世界人権宣言が謳う生きる権利を侵害するものであるとアムネスティは考える。6月15日現在、106カ国が死刑を完全に廃止し、この106カ国含め142カ国が法律上あるいは事実上、死刑を廃止している。

アムネスティ国際ニュース
2018年6月15日

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