- 2021年4月 5日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ベラルーシ
- トピック:
(C) Amnesty International
ベラルーシの警察は、高齢の抗議デモ参加者を拘束し、新型コロナウイルスの感染リスクが高いにもかかわらず、すし詰めのバスに乗せ、過密な留置所に連行して取り調べを行っている。高齢者が感染するおそれを一層高めるこの無謀な対応を看過することはできない。
抑圧を強めるアレクサンドル・ルカシェンコ政権に抗議するデモには、あらゆる年齢層の市民が参加しているが、当局は、年齢を考慮することなく同じ暴力的手段で対応している。80歳代の人びとへの暴力的対応は、度を越えている。
癌や心臓や肺の病気を患う高齢者らが、手荒い取り扱いを受けたり、何週間も恣意的に拘束されているなどの情報が、アムネスティに寄せられている。警察は、感染リスクを最小限にする対策を取っていないため、高齢者が感染して重症化することが懸念される。
ベラルーシでは多くの高齢者が、各地の平和的抗議デモの参加者との連帯を示すために自ら高齢者デモを組織している。
昨年12月20日、83歳の男性が、抗議を示す紋章が入った旗を掲げて一人でデモ行進をしていたところ、いきなり警官らに腕をつかまれ、パトカーに押し込まれた。その後、連行された警察署で壁に向かって両手をあげたまま1時間半、立たされた。隣で同じように立たされていた男性と、短い会話をそっと交わしたそうだ。男性は、数時間後に釈放されたが、もう1人は、その後どうなったかわからないという。
アムネスティがツイッターで世界に呼びかけている連帯キャンペーン#StandWithBelarusは、ベラルーシ社会がさまざまな分野で抑圧され、深刻な状況にあると訴えている。
当局は司法制度を盾に、市民に暴力を加えた警官でなく暴力を生き延びた市民を罰し、女性たちを性的虐待の標的にしている。
当局による抑圧は、老若男女を問わず、ベラルーシのすべての人の人権を侵している。
アムネスティは、世界の指導者たちがベラルーシの人びとを保護する実効性ある行動を取り、人権と命を脅かす弾圧に立ち向かうよう繰り返し呼びかけている。
アムネスティ国際ニュース
2021年3月30日
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