- 2018年8月22日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:インドネシア
- トピック:
アジア大会(8月18日-9月2日)を控えていたインドネシアで、多数の市民が取り締まりを強化する警官の銃の犠牲になった。今年8カ月で、少なくとも77人が射殺された。取り締まりは、国際的スポーツイベントの主催国としての準備を進める一環だった。また、バイクを使って刃物や銃で強奪や襲撃する犯罪が増加し、市民の不安が募ってきたという背景もあった。
取り締まりでの犠牲者が最も多かったのは7月前半で、ジャカルタ大都市圏で11人、南スマトラで3人が命を落した。さらに、ジャカルタ市で41人が重傷を負い、5,000人が逮捕され、うち700人が起訴された。警官による軽犯罪犯の射殺件数は、全土で前年比64%増えた。
これらの数値は、警察が市民に対し無用かつ過剰な力を、どれほど行使しているかを示す。背景には、治安組織を蝕む不処罰の風潮に加え、上官の指示があった。取り締まりにあたり、複数の警察幹部が、抵抗する者には銃の使用も含め「断固たる対応」を取るよう指示していた。
しかし、問答無用に市民の人命を射殺するのは、論外である。
国家人権委員会と国家警察委員会は、警官による殺人に対し、公正で徹底した捜査を行い、刑事責任を明らかにし、関係者全員の罪を問わなければならない。
また、関係当局と国内外のスポーツ運営組織は、アジア大会の開催中、人権侵害が起こることがないようにあらゆる措置を取る必要がある。
国際人権法のもと、インドネシアには、全市民の生存権を常に尊重し、人権侵害が疑われるこの事態に、直ちに実効性のある捜査を行う義務がある。
アムネスティ国際ニュース
2018年8月17日
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