インドネシア:アチェ住民 ロヒンギャ難民の救助に立ち上がる

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2020年7月 2日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:インドネシア
トピック:難民と移民

(C) UNHCR
(C) UNHCR

インドネシア・スマトラ島の北部アチェで6月25日、漂流していたロヒンギャ難民94人が、住民の要請で上陸できた。希望と連帯の勝利だ。アチェ住民は、難民を救いたいという強い気持ちで危険を顧みず行動した。素晴らしい人道的行為だ。

2015年にロヒンギャ難民が身の安全を求めて船で国を脱出し、大勢が海を漂う事態になり、何百人もが命を落とした。このときも、アチェの住民は率先して救助に動いた。

ロヒンギャの難民への支援は、これで終わってはならない。インドネシア政府は94人を保護し、食料や水など最低限必要なものを提供しなければならない。

東南アジア諸国連合(ASEAN)会議が6月26日から始まるが、アチェ住民の勇気ある行動の背景には、近隣諸国の難民への無策がある。死者をこれ以上出さないためには、地域諸国間の緊急な対話と連携が不可欠だ。

背景情報

5月24日、アチェの漁師が、ロヒンギャ難民94人を乗せた船が漂流しているところを発見し、地元当局に通報した。アチェの住民たちは、翌日に救出されるまで、当局に対し行動を求め続けた。

難民は現在モスクに収容されているが、今後、当局にどう扱われるかは決まっていない。アムネスティ・インドネシア支部は、地元の団体や難民機関と連絡を取りながら、最新の動きを追っている。

国際法によれば、国家はその領土とする海岸にたどり着いた難民の人権を守る義務がある。

ノン・ルフールマン原則では、国家は迫害を受ける危険のある国への強制送還を禁止している。この原則は、難民保護の基本である。インドネシアは、国連難民の地位に関する条約(難民条約)に加盟していないが、ノン・ルフールマン原則は例外なく守らなければならない慣習国際法であり、その他の人権条約にも反映されている。ASEAN人権宣言も、庇護を求め、受ける権利を保障している。

アムネスティ国際ニュース
2020年6月25日

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