インドネシア:ゲイ男性にむち打ち刑 許されざる残虐行為

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2025年8月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:インドネシア
トピック:性的指向と性自認

本日、バンダアチェ市で2人の男性に対し、同性間で性的関係を持ったとしてむち打ち刑が執行された。

アチェ州のイスラム刑法に基づき同意の上での性行為を理由に2人の若者が公の場でむち打ち刑に処されたことは、行政が差別と残虐行為を容認していることを示す。憂慮すべき事態であり、アチェ州のLGBTQ+の人びとが制度の下で汚名を着せされ人権を侵害されているという恐ろしい状況を浮き彫りにする。

同意の上での成人同士の親密な関係は決して犯罪とされるべきではない。むち打ちのような処罰は残酷で非人道的かつ品位を傷つけるものであり、国際法上は拷問に相当する可能性がある。

アチェ州およびインドネシア中央政府は、こうした品位を傷つける行いを直ちに停止し、人権侵害を許容するすべての差別的な州法を廃止すべきだ。アチェ州の自治は人権の犠牲の上に成り立つものであってはならない。

国連人権理事会の理事国であり、拷問等禁止条約の締約国であるインドネシアは、アチェを含む国内法を、平等と非差別という憲法の誓約に整合させる必要がある。同性間の性行為の犯罪化と身体刑は、公正で人道的な社会に存在すべきではない。

背景情報

8月26日、20歳と21歳の男性2人が、同意に基づく同性間の関係を持ったとして、バンダアチェ市でそれぞれ76回の公開むち打ち刑に処された。

バンダアチェ・シャリーア裁判所の裁判官は、同意に基づく同性間の性行為を禁じるイスラム刑法違反で2人に有罪判決を下していた。

両名は6月16日、公園の公衆トイレで性交渉を持った疑いで逮捕された。被告の2人は、非公開で行われた司法手続きの間、勾留されていた。

アチェでは私人逮捕が一般的に行われている。アチェのシャリーア(イスラム法)では実践において、住民がシャリーア警察に捜査のために人びとを引き渡すことができる。アチェ州はイスラム法に基づく刑法を適用できる特別自治権が認められており、2015年以来、インドネシアで唯一、同意に基づく同性間の性行為を犯罪と定める州となっている。

アチェ州では2001年にアチェ特別自治法が制定されて以来、シャリーアに基づく州法が導入され、その執行はシャリーア裁判所が行う。同意に基づくものであっても未婚カップルの親密な行為や性行為、婚外性行為、同性間性行為は犯罪で、アルコールの消費・販売、賭博なども禁じられている。違反すれば最大200回のむち打ち刑を科される場合がある。

バンダアチェでは今年2月にも、同意に基づく同性間の性的関係を持った大学生2人がむち打ち刑に処された。

国際人権法の下では、あらゆる形態の身体刑は残虐で非人道的または品位を傷つける刑罰にあたり、拷問に相当する可能性があるとして禁止されている。国連自由権規約委員会などの人権専門機関は、同意に基づく婚外性的関係を犯罪とする法律がプライバシー権を侵害するとして懸念を表明している。

アムネスティ国際ニュース
2025年8月26日

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