- 2018年10月 4日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:エジプト
- トピック:女性の権利
エジプトの裁判所は9月29日、人権擁護活動家のアマル・ファシーさんに、偽ニュースの拡散やわいせつ物所持の罪で執行猶予付き禁錮2年と罰金1万エジプト・ポンド(約65,000円)を言い渡した。
ファシーさんは、セクハラの被害者として、女性を守らない当局を批判する動画をフェイスブックに投稿した直後の5月初旬に逮捕され、5カ月近く勾留されてきた。
人権擁護活動家のファシーさんは、フェイスブックで自らのセクハラ体験を語り、性的嫌がらせを強く非難し、同国で女性の安全が脅かされているという深刻な状況を訴えた。この勇気ある行動に対して、今回の判決は、あまりに理不尽である。一方で、セクハラの加害者にはなんのお咎めもなく、野放しという不正義がある。
アムネスティは、検察当局にファシーさんの有罪を破棄し、即時かつ無条件に釈放するよう求めている。今回の逮捕・収監は、同国の憲法が保障する表現の自由の権利と同国の国際的義務に大きく反する。さらに、同国が掲げる性的嫌がらせの撲滅という方針とも矛盾する。
エジプトでは、アル・シシ大統領の下、政府批判に対する圧力が、年々激しさを増している。
背景
ファシーさんは、民主的考えや平等に強い関心を持つ人権擁護活動家だ。人権侵害、特に活動家に対する不当な拘禁を批判してきた。
ファシーさんは現在、テロ組織への関与など別の容疑で勾留中で、裁判を待つ身でもある。
5月11日、ファシーさんと夫のモハメッド・ロッフィーさんが、自宅を訪れた捜査員に逮捕された。ロッフィーさんは、アムネスティの元調査員で、現在は現地の人権NGO「権利と自由のためのエジプト委員会」の委員長を務める。
アムネスティ国際ニュース
2018年9月29日
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