- 2019年4月18日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:
ネット上で民泊情報を提供するエアビーアンドビー社は4月9日、ヨルダン川西岸地区にあるイスラエル入植地にある宿泊施設の掲載をめぐり、一旦は削除するとした方針を転換し、掲載を続行すると発表した。
過去50年以上にわたるイスラエルによる入植で、数千ものパレスチナ人が自宅を追われ、生計手段や資源を奪われてきた。この入植は、ジュネーブ諸条約違反であり、国際刑事裁判所ローマ規定が定める戦争犯罪に当たる。アムネスティをはじめとする人権団体は、入植地の宿泊施設の掲載は、人権侵害に加担していることだと繰り返し指摘してきた。
同社は昨年11月、入植地の宿泊施設の掲載を削除するとしたが、この決定を不当とする集団訴訟がイスラエルで起こされ、掲載削除の方針を撤回した。
人権擁護で業界の先鞭をつける機会を放棄する一方で、宿泊施設の掲載で得た収益を慈善団体に寄付すると発表した。罪滅ぼしのつもりだろうが、掲載による観光客の呼び込みが人権侵害への加担であり、入植地の経済を後押しするという事実は、なんら変わらない。国際人道法、国際人権法を尊重すべき企業による責任放棄は、恥ずかしい限りであり、人権尊重を標榜するという同社の言葉が、空しい。
この方針転換は、企業には人権を尊重する上で大きな決断は期待できないということである。各国は、法的措置で企業にその義務を果たさせるしかない。
アムネスティ国際ニュース
2019年4月10日
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