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ベトナム:急増する人権活動家らの投獄

2019年5月14日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ベトナム
トピック:

不当に投獄された「良心の囚人」が急激に増加している。現在の良心の囚人の数は少なくとも128人で、昨年の97人に比べ30パーセントを超える拡大である。アムネスティが実施した調査で明らかになった。

収容環境は相変わらず最悪で、囚人は拷問や虐待、日常的な隔離拘禁、独房拘禁、不衛生な環境にさらされ、医療や清潔な水、新鮮な空気が得られない状況に置かれている。

こうした良心の囚人のなかで目立つのが、ソーシャルメディアでの発信がもとで投獄された人びとで、今や全体の10パーセントを占めている。極めて抑圧的なサイバーセキュリティ法が今年1月に発効しており、国に批判的と見られるユーザーを対象に、立ち入った監視が強化されている可能性が高い。

政治的な発言だけではない。汚職追及や人権擁護を通して世の中を良くしようとすると、誰かれ問わず、狙われる。自分の考えを率直に語る権利が、危機に瀕しているのである。

128人の良心の囚人には、弁護士、ブロガー、人権や環境、民主主義などを擁護する活動家がいる。その多くは、茶番のような裁判で長期の実刑判決を受けた。起訴される前から長期間勾留された場合も多い。

2018年に導入された新刑法も過去の刑法と同様、活動家や批判勢力の訴追に好都合な、あいまいで適用範囲が広い条文が入っている。現在の良心の囚人のうち少なくとも34人が、そうした規定を利用して起訴された。

米国は人権対話で圧力を

ベトナムは、米国やEUとより緊密な外交的経済的な連携を進めようとしている。

5月半ば、米国代表がベトナムを訪れ、ベトナム代表と人権対話を行う。この対話は、2006年以来定期的に開かれてきた。「マザー・マッシュルーム」のブロガー名で知られるグエン・グォク・フ・クィンさんは昨年10月、ジェームズ・マティス米国国防長官(当時)の訪越がきっかけで釈放された。

しかし、彼女の自由の代償は国外追放だった。また、多数の良心の囚人は、過酷な状況で囚われたままだった。その後も良心の囚人数が増えていることからも、人権をめぐるベトナムの二枚舌は歴然である。

チャン・ホアン・フッさんは、在米東南アジア青年指導者行動のメンバーで、バラク・オバマ大統領(当時)が2016年5月にベトナムを訪問した際、大統領と面会する手はずになっていたが、ベトナム当局の圧力で実現しなかった。フッさんは翌年の6月、政府に批判的な動画の制作とソーシャルメディアでの発信で反国家的宣伝罪に問われ、実刑6年と自宅軟禁4年の判決を受け、現在、収監されている。

米国政府は今回の対話で、ベトナムが人権問題で真の前進を示さなければ、ベトナムとの関係強化を図れないことをあらためて明言すべきである。真の前進とは、すべての良心の囚人の、即自無条件釈放を含む具体的な行動である。

アムネスティ国際ニュース
2019年5月13日

※暴力も用いていないのに、信念や信仰、人種、発言内容などを理由に囚われている人びとのことを、アムネスティでは「良心の囚人」としている。

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