イタリア:欧州委員会 ロマの人びとの保護に動く

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2019年7月12日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:イタリア
トピック:先住民族/少数民族

欧州社会権委員会は、イタリア政府に対してロマの人びとの居住権を保護する措置を早急に取るよう要請した。

ロマの人びとは現代社会にいながら、長らく、社会から疎外され、劣悪な生活環境に置かれ、日常的な差別を受けてきた。

アムネスティは 今年3月、同委員会に対して、ロマの人びとが悲惨な居住環境に置かれている問題について申し立てていた。

アムネスティは、委員会のこの対応を歓迎するとともに、イタリア政府には、委員会の要請を受け入れ、ロマの人びとに対する家屋破壊や強制立ち退きの即時執行停止を強く求める。

保護措置を蔑ろにしたこれらの対応は、欧州社会憲章違反にあたる。何よりも、ロマの人びとを強制的に排除し、適切な代替え家屋を提供しないのは、許されない。

委員会は、団体として初めてアムネスティの申し立てを受理したばかりか、イタリア政府に対して、差別や暴力などの排除を求めるという思い切った対応を取ったのは、大変意義深い。

強制退去が違法であるにもかかわらず、イタリアは、ロマを強制的に排除し続け、ロマ社会全体をホームレスにしてしまった。

欧州社会権委員会の要請が、イタリアの恥ずべき慣行に終止符を打つことを期待したい。

背景情報

アムネスティは申し立てにあたり、ローマ、ミラノ、ナポリを中心に各地でロマの人びとの居住環境についての長期間の調査を実施し、多面的に問題の深刻さを示す事実を収集した。申し立てでは、調査で得た事実に基づき、欧州社会憲章違反にあたる強制立ち退き、公営住宅とは程遠い、辺ぴな場所での劣悪な住居の強要など、ロマの居住環境をめぐる一連の深刻な問題を明らかにした。

アムネスティ国際ニュース
2019年7月5日

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