中国:香港 私の誇り

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2019年12月 7日
[その他]
国・地域:中国
トピック:

大学生の呉傲雪(ソニア・ン)さんは、デモ参加中に警察に拘束され、取り調べで脱衣を迫られたり、胸部を触られたりするなど、性暴力を受けたことを公表した。

同じように勾留中、体を触られたり、所持品検査で裸にされたりするなど、性的嫌がらせを受けたと証言する人たちが何人もいた。ただ、顔をマスクで隠さず、実名で記者会見をしたのは、呉傲雪さんだけだった。

以下は、呉傲雪さんの記者会見での発言だ。

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これまで、香港が嫌いだった。周りの人たちと相通じるものがあまりなかったから。民主化運動の先行きが見えず、無力感も感じていた。

でも、今回、いろんなことに出会って、「私は香港人だ」と実感し、香港人としての誇りを持つうようになった。

警察で性暴力を受けたことを公表してから、知らない人から多くの励ましをもらった。ハガキやぬいぐるみを送ってくれたり、ケーキを作ってくれたりもした。そのすべてが、自分が前に進む力となっている。

他にも、いろいろ助けてもらった。

8月31日に留置所に入れられ、係官に「所持品検査をする。服を脱げ」と言われた。そばにいたソーシャルワーカーが、係官に抗議してくれて、難を逃れた。彼女の機転には本当に感謝している。

このとき、大切なことを学んだ。自分の意思を持ち、主張すること。また、逮捕されたりして弱い立場にあっても、人としての権利を譲ってはならないことも教わった。

はっきりとした発言で、反発も受けてきた。「ふしだら」とか、「お金のために体を売るのか」などと中傷もされた。

香港は自分の国。国の問題には、男女関係なく立ち上がるべきだ。

私の話が嘘じゃないのかとか、私や家族についてあれこれ言ってくる人もいる。そういう人たちは、私が突きつけた問題を直視したくないのだ。

自分の発言が反発を招いて、逃げたいと思ったこともあった。でも、現実と向き合うことにした。逃げ出しても、結局同じ問題に直面するだけ。何の解決にもならない。

それに、自分よりもっと辛い経験をしている人たちがいる。私の場合、警察で殴られたり、目や歯を失ったりはしていない。警察の暴力でもっと大きな痛みを味わった人たちが、強い意志で前へ進もうとしている。だから、私にだってできるはず。

女性は、デモの先頭に立つと警官から性暴力を受けるから危険だという意見もある。私はそうは思わないし、人それぞれが決めること。抗議活動は、市民を必要としている。

香港は、私たちみんなにとっての故郷。性別にかかわらず、勇気をもって立ち上がるべき。

女性の人権擁護に懸命に取り組んでいる女性グループもある。あるグループは、「女性が性暴力問題でも堂々と発言すればいい。不埒なことを言われても気にしないで」と言っている。すごくいいことだと思う。どこに行けばどんな支援を受けられるのかも教えてくれる。

今回の運動を契機に、香港社会は大きく変わりつつある。この変化は、香港に対するネガティブな見方への挑戦だ。

「香港人はお金のことしか頭にない」と言われるが、どれだけ多くの人が寄付していることか。「香港人は他人のことに構わない」と言う人もいるが、沢山の人が見ず知らずの人の死に涙を流している。「香港人は権力を持つ相手には誰でもへつらう」――こんなにも団結してストライキをしているではないか。そこを見てほしい。

中国共産党に抵抗する香港は、蛇に睨まれた蛙かもしれない。でも、ここは私たちの国。最後まで闘わないといけない。 変化は、必ず起こると信じている。運動を続ける限り、私たちの心の炎が燃えている限り、チャンスはある。

 

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