カタール:新型コロナウイルス 移住労働者に迫る危機

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2020年3月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:カタール
トピック:

(C) AFP via Getty Images
(C) AFP via Getty Images

移住労働者の宿泊施設が集中するドーハの工業団地で、数百人の建設労働者が新型コロナウイルスに感染し、団地の一部が封鎖された。

世界がウイルスの感染拡大防止に懸命に取り組む中、ドーハの工業団地のような封鎖された宿泊施設にいる労働者は、ウイルスにさらされる危険性が特に高い。

こうした宿泊施設は過密状態で、互いの距離を保つことも難しい。上水道やトイレも不足しており、労働者がウイルスから身を守るのが非常に難しい状況にある。

カタール政府は、感染の予防や抑制への取り組みで人権保護を最優先に考え、すべての人が、感染予防と治療などの医療を差別なく受けられるようにしなければならない。

アムネスティは、カタールなどの湾岸諸国に対し、現行の危機の中、移住労働者がこれまで以上に社会から見捨てられることがないよう、そしてウイルスに感染して働けない人びとへの休業手当や医療機関での受診を保障するよう求めている。

背景情報

アムネスティは、今回の調査においてドーハ工業団地の労働者収容地域を訪れたが、そこで目にしたのは、目に余る劣悪な宿泊環境だった。所狭しと並べられた二段ベッドで寝起きし、衛生状態は悪く、場所によっては水道や電気がなかった。

2010年にカタールが2022年FIFAワールドカップの開催国に決まって以来、移住労働者の数が急増した。世界でも特に貧しい国々からやって来た労働者は、同国の労働力の95%を占め、建設、サービス業、家事手伝いなどの仕事に就いている。

アムネスティは、同国の移住労働者に課される搾取的な労働条件などの人権問題を繰り返し調査・報告してきた。

アムネスティ国際ニュース
2020年3月20日

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