エチオピア:拉致された学生17人の家族に募る不安

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2020年4月 1日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:エチオピア
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(C) Flickr Vision
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昨年11月、オロミア州西部で、学生17人が拉致された事件について、被害者家族は、捜査当局から事件後、何の説明もなく不安を募らせている。捜査当局は、捜査の進捗を被害者家族に説明すべきである。

拉致事件は、数日間にわたりオロモ族とアムハラ族の学生間の衝突が発生していた時に起こった。衝突から逃げようとしたデンビドロ大学のアムハラ族の学生17人が、何者かに拉致された。

被害者の1人の叔父によると、11月28日、甥を含む学生数人が、ガンベラに向かう途中、オロモ族の若者グループに拉致され、近くの山へ連れていかれたという。

当初、誘拐犯らは被害者に家族への電話を許したため、家族は子どもの声を聞くことができた。しかし、1月に入り、当局は、西オロミア地区の電話とインターネット回線を遮断したため、この3カ月間、家族は子ともの声を聞けなくなり、子どもたちに関する情報入手もままならなかった。

アムネスティは、被害学生の数家族に話を聞いたが、「政府から何の説明もない」という批判の声があった。わが子に関わる情報がまったく得られないため、家族の不安は、募るばかりだ。 

1月末に、副首相が「これまで対策本部を設置して、学生たちの居所の特定や救出に取り組んできた」と話したが、被害者たちの安否や所在に関わる説明はなかった。

拉致から4カ月、エチオピアでも新型コロナウイルス感染拡大が懸念されており、我が子の所在や安否の情報を必死に求める家族の不安に追い打ちをかけている。

当局が、ウイルス禍から学生を守る措置として大学を閉鎖したのは、理解できる。しかし、拉致事件の捜査にも具体的な措置を取り、学生の安否や救出策などを家族に説明すべきである。

通信網を遮断したのは、情報と表現の自由の権利を侵すものであり、許されることではない。

被害者家族が子どもたちに関する情報を得るだけでなく、市民が、新型コロナウイルス感染の状況や対策を知ることができるよう、電話やインターネットを直ちに復旧させなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2020年3月25日

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