カンボジア:独占映像が示す刑務所の超過密

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2020年4月23日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:カンボジア
トピック:

© Amnesty International
© Amnesty International

アムネスティは、カンボジアの囚人が極端な過密状態で一室に詰め込まれている様子を撮ったビデオ映像を入手し、公開した。映像は、最近、とある刑務所で撮られたものだが、撮影日と場所は、情報提供者の保護のため明らかにできない。

この衝撃的な映像は、カンボジアの刑務所に収容されている人びとが置かれているあまりに過密で非人道的な環境を示している。

刑務所の目に余る収監状況を目の当たりにすると、当局は、コロナ危機の中で求められている人と人との社会的距離の確保や感染防止策など、嘲笑っているかのようである。囚人の基本的権利の甚だしい無視であり、到底容認できない。

政府データによると、全刑務所の被収容者数は、およそ26,600人の定員に対して4月2日現在、1.5倍の38,990人が収監されている。複数の刑務所では定員の4.5倍を超えたことがあった。

囚人の数は2016年から78%増と激増している。政府が、2016年12月から違法薬物の取り締まりを強化したためだ。全体の72%以上が公判前勾留で、違法薬物の所持など軽犯罪に問われて勾留されている人も数千人いると言われている。

また、刑務所とは別に、薬物使用の疑いをもたれた数千人が強制的に「リハビリ」施設や「社会問題」施設に収容されている。本来は、薬物依存を解消するための施設だが、強制収容は本質的に恣意的なものである。さらに、この施設も深刻な過密状態にあるという情報を得ている。

当局は直ちに過密状態を緩和し、被収容者に適切な医療を保障すべきである。

背景情報

アムネスティは、被収容者、刑務所職員を含むすべての人びとの健康を守るため、各国に対し、被収容者の拘束継続を見直し、保釈や仮釈放、拘束の代替策などを検討するよう求めている。

感染症の拡大は公衆衛生の問題であり、特に刑務所の状況を考えると、被収容者の同意を前提に、彼らがウイルス検査を受けられるようにすることが望ましい。当局は、被収容者と施設関係者などに対する感染対策と医療を確保しなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2020年4月10日

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