カンボジア:詐欺拠点取り締まり 被害者保護が肝要

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2025年7月29日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:カンボジア
トピック:

カンボジア政府は詐欺拠点の取り締まりが進行中であると発表した。

アムネスティは同国に点在する詐欺拠点で、犯罪組織により奴隷労働、拷問・虐待などが行われていることを把握している。ようやく政府がこの危機に動いた形だが、もっと早くに対応すべきだった。取り締まりでは、詐欺拠点で発見した個人の人権を尊重することが何よりも大切だ。

報道やソーシャルメディアの映像からは、警察が誰を拘束し、誰を人身売買の被害者として扱うかに関して、人権に基づいて対応していない可能性が懸念される。被害者は適切に特定され保護されなければならない。政府は彼らが現在収容されている可能性がある拘禁施設の詳細を公表すべだ。

また、警察は実行犯だけでなく、詐欺を取り仕切っていた者たちにも焦点を当てる必要がある。正当な取り締まりを進めるには、詐欺施設の所有者、管理者、警備員や警備員を派遣した企業なども捜査し、事情聴取しなければならない。

背景情報

アムネスティは先月調査報告書を発表し、カンボジア政府が、全国に点在する50を超える詐欺拠点で犯罪組織によって大規模に行われている奴隷労働、人身売買、児童労働、拷問などの数多くの深刻な人権侵害に対し、意図的に目をつぶってきたことを明らかにした。

調査結果からは、詐欺拠点を取り仕切る中国系の犯罪組織とカンボジア警察の間で調整や共謀があった可能性が示唆される。警察は施設内で数々の人権侵害が行われているにもかかわらず、閉鎖に動かなかった。

アムネスティの報告書発表後、カンボジア当局は詐欺拠点に対する取り締まりに乗り出した模様だ。7月16日水曜日、当局は少なくとも5つの州で一斉捜索を行い、1,000人以上を逮捕したと発表した。また、夜中にスーツケースを持って建物から逃げる人びとの様子を捉えたソーシャルメディアの映像が相次いで報告されている。

アムネスティ国際ニュース
2025年7月18日

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