- 2020年6月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中央アフリカ
- トピック:地域紛争
(C) Amnesty International
戦争犯罪の加害者を裁く特別刑事裁判所が中央アフリカ共和国に設置されてから、この6月で5年を迎えた。
多数の市民が、武装グループら紛争当事者による残虐行為の犠牲になってきたこの国での同裁判所の設置は、責任追及と正義を実現する上で大きな前進だった。
しかし、裁判所はいまだその機能を十分に果たしているとは言い難い。
人権侵害の犠牲者家族が、特別刑事裁判所で加害者が裁かれる姿を見るまでには、さらなる取り組みが必要だ。国際的な資金支援の拡大や国際刑事裁判所と国内裁判所の密接な連携も欠かせない。
ここ最近は容疑者の逮捕が活発化しており、この国にまん延する不処罰との闘いが前進している。
まず、容疑者を裁判所に出廷させ、なぜ逮捕されたのか説明することが必要だ。彼らが弁護人をつける権利も認められなければならない。
背景情報
中央アフリカ共和国の特別刑事裁判所は、法律に基づき2015年6月3日に設置されたハイブリッド法廷だ。国内外の判事から構成される同裁判所は、同国で2003年以降に犯された重大な人権侵害や国際人道法違反を扱う。
初の審理は2018年10月に行われ、これまでに8件の捜査が終了し、8件が捜査中、15件前後が予備審問中とされている。
今年5月8日、裁判所は北東部の町で起こった複数人の殺害事件の捜査に着手すると発表した。その後、容疑者9人が逮捕された。
中央アフリカ共和国では長年、クーデター、武力紛争、市民への暴力などが続いてきた。現在の紛争は、2013年にイスラム教徒主体の武装組織セレカが武力で当時の政権を倒したことで始まった。
その数カ月後、セレカに対抗するキリスト教系民兵組織「反セレカ」が出現し、イスラム教徒コミュニティーに大規模な攻撃を始めた。セレカも反セレカも、国際法上の犯罪を繰り返してきた。
昨年2月、中央アフリカ共和国政府と14の武装組織間の和平合意が成立した。しかし、今もなお国土のおよそ8割が武装グループの支配下にあり、一般市民に対する人権侵害も続いている。
アムネスティ国際ニュース
2020年6月3日
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