チュニジア:大統領 唐突すぎる死刑の肯定

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2020年10月 7日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:チュニジア
トピック:死刑廃止

(C) GettyImages
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チュニジアのカイス・サイード大統領は9月28日、国家安全保障理事会で「殺人は死刑に値する」と述べ、死刑の執行を再開する意向を表明した。最近発生した少女の殺人に言及する中での発言だ。

チュニジアは、1991年以降30年近く死刑を執行していない。その国で、大統領が、死刑の執行を表明したことは、青天の霹靂だ。同国で過去に死刑の執行を口にした大統領は、一人もいない。

アムネスティは、サイード大統領に対し直ちに今回の発言を撤回するよう求める。死刑の執行は、同国の人権状況を後退させるだけだ。

また、チュニジア政府に対しては、死刑廃止を視野に入れた死刑執行の一時停止を正式に決定するよう求める。2012年以降、死刑執行の一時停止を求める国連決議に賛成票を投じてきた同国は、身をもって範を示すべきだ。

殺人が、許しがたい犯罪であることは言うまでもないし、その加害者が裁かれるのは当然だ。しかし、どれほど極悪非情な犯行だったとしても、国家がその加害者の命を奪っていいということにはならない。

死刑が、禁錮や懲役など自由刑以上に犯罪を抑止する効果があることを示す根拠はない。

アムネスティは、犯罪の性格や犯罪者の特質、執行方法にかかわらず、いかなる死刑にも反対する。死刑は、世界人権宣言に謳われている生きる権利の侵害であり、残虐で非人道的かつ品位を傷つける究極の刑罰である。

アムネスティ国際ニュース
2020年9月29日

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