中国:香港 国安法違反で起訴 表現の自由に新たな打撃

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2020年11月 9日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:中国
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(C) AFP/Getty Images
(C) AFP/Getty Images

香港の改革を訴える学生活動組織「学生動源」の元代表、鍾翰林(トニー・チョン)さんが、香港国家安全維持法(国安法)の国家分裂、資金洗浄、扇動的文書発行の共謀の容疑で起訴された。

チョンさんは、当局の方針と相容れない主張をしただけで起訴された。香港では人権への締め付けが強まるばかりだが、反政府的動きを封じる一環でのチョンさんの逮捕と起訴は、人権への弾圧が一層激しくなっていることの表れだ。

今回の当局の対応で、香港政府が表現の自由や反対意見表明の自由を軽視していることが、あらためて浮き彫りになった。

そんな中、香港警察は、国安法違反が疑われる行為に関して市民からの情報を集めるホットラインの開設準備を進めている。市民の不安はあおられ、香港社会に一層重苦しい空気が漂うことになる。

チョンさんは、表現の自由の権利を行使しただけであり、即時無条件で釈放され、すべての起訴は破棄されなければならない。

背景情報

抑圧的な国家安全維持法は、6月30日に施行された。同法違反で起訴されたのは、香港紙「リンゴ日報」の創業者、黎智英(ジミー・ライ)さんに続いて、トニー・チョンさんが2人目だ。

チョンさんは10月29日の法廷で保釈を求めたが、却下された。

チョンさんは10月27日、在香港米国領事館近くで逮捕された。地元メディアによると、亡命を申請しようとしていたという。警察は、チョンさんの捜査を1月7日まで停止すると語った。チョンさんは、7月にもソーシャルメディアへの投稿をめぐり逮捕され、保釈されている。

学生動源は、香港の政治改革の必要性を提唱する組織だったが、国安法が施行される前日、香港支部の解散を発表した。学生動源の他のメンバー、何忻諾(イェニー・ホウ)さんと陳渭賢(ウィリアム・チャン)の2人も、同じく10月27日に逮捕された。

国安法は、国家分裂、国家転覆、テロ、外国や外部勢力との共謀を犯罪とみなし、違反者には、最低3年、最高で終身刑を科す。これまでに少なくとも29人が、同法違反の容疑で逮捕されている。

アムネスティ国際ニュース
2020年10月29日

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