日本:COVID-19(新型コロナ)と闘う医療・介護従事者の人権保護を求める要請書

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2020年12月 4日
[公開書簡]
国・地域:日本
トピック:

2020年12月4日

内閣総理大臣 菅 義偉 殿
厚生労働大臣 田村 憲久 殿

公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
事務局長 中川 英明

 

COVID-19(新型コロナ)と闘う医療・介護従事者の人権保護を求める要請書

 

アムネスティ・インターナショナル日本は、COVID-19感染の脅威にさらされながらも自らの日々の職務を全うする医療・介護従事者の人権が、政府の施策によって十分に保護されていない現状を憂慮しています。

9月1日に発表された日本医療労働組合連合会の報告にもあるように、医療・介護の現場では、感染から医療・介護従事者を守るために必要な個人防護具が依然として不足しています。また、医療・介護従事者を対象とした PCR検査の実施体制も十分ではなく、医療・介護の現場から感染が拡大するリスクは残されたままです。さらに、COVID-19の流行が収束しない中、感染予防・感染拡大防止の措置が不十分なままの医療・介護現場の現状を放置すれば、社会的不安を助長し、医療・介護従事者に対する差別や偏見を温存してしまうことにつながります。

COVID-19危機の最前線で働く医療・介護従事者の人権を守るため、私たちは次の3点を要請します。

  1. すべての医療・介護従事者に対し、COVID-19感染を予防するための個人用防護具(フェイスマスク、ガウン、ゴーグル、手袋など)の充分な供給を保障すること
  2. 医療・介護従事者を優先対象として、適切な頻度によるPCR検査実施を保障すること
  3. COVID-19感染症や感染の予防方法などについて、事実と証拠にもとづく正確な情報の発信を行い、差別や偏見を払拭するために必要なあらゆる措置を講じること

「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」を批准している日本政府には、国際人権法上の義務があります。安全で健康的な作業条件をはじめとする、すべての人の「公正かつ良好な労働条件を享受する権利」を保障しなければならず、法整備などによりあらゆる差別を禁止しなければなりません。

今年の9月15日から10月末までに寄せられた賛同署名1,635筆をお届けいたします。
市民社会の声を聞き入れ、医療・介護従事者の人権を保護してくださいますようお願いします。

以上