中国:香港活動家10人に不当な実刑判決

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2021年1月 9日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:中国
トピック:

(C) CHRIS STOWERS/ AFP
(C) CHRIS STOWERS/ AFP

昨年8月、香港の活動家12人が高速艇で脱出を試みて中国海警局に逮捕された問題で、中国の裁判所は昨年12月30日、12人のうち10人に対して実刑判決を言い渡した。不当な裁判の末に下された判決は、中国本土の刑事制度で裁かれれば、だれもが投獄されるおそれがあることを露骨に示した。収監される10人が、中国の刑務所でどんな暴力や嫌がらせを受けるかが懸念される。

世界に対して中国は再び、国家にものを申せば公正な裁判を受けられないことを示した。裁判の傍聴を求めた家族や外交官、記者らのいずれもが、事実上密室の裁判の傍聴を認められなかったことでも明らかだ。

香港の12人の若者は、私選弁護人を雇う権利を奪われた。家族の依頼を受けた中国の弁護士数人が弁護を引き受けようとしたが、当局から手を引くよう、あからさまな圧力を受けた。

背景情報

10人は昨年12月30日、深圳市人民法院で有罪判決を言い渡された。鄧棨然(TANG Kai-yin)さんと喬映瑜(QUINN Moon)さんは、秘密裏の越境計画の容疑でそれぞれ2年と3年の実刑、他の8人は秘密裏の越境で7カ月の実刑を言い渡された。12人のうちの2人は逮捕時、少年(18歳未満)だったため、香港警察に引き渡されることになっている。

アムネスティがこれまでに行った数多くの調査で、中国本土で拘束されている人たちは、その多くが人権擁護活動家で、家族や私選弁護人に接見する権利が日常的に剥奪されていることがわかっている。被拘禁者の同意なく国選弁護人を付けられたり、私選弁護人が、当局の圧力を受けたりする。また、被拘禁者が「私選弁護人を解雇する」とか、「(家族に対し)弁護人はいらない」と言っているなどと、当局が吹聴することもある。これらの当局の手口は、事実上、私選弁護人を付ける権利を奪うに等しい。その結果、拘束された人はしばしば自身の法的権利が何なのかを知ることができず、不公正な裁判手続きに対しさらに無防備となる。

アムネスティ国際ニュース
2020年12月30日

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