- 2022年6月29日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:性と生殖の権利
米連邦最高裁判所は6月24日、人工妊娠中絶を規制する州法を違憲とした1973年の「ロー対ウェイド」判例を覆す判断を示した。
中絶の権利を奪うこの最高裁の判決で、この日は米国の歴史で暗黒の一日として刻まれる。今後も数えきれない人たちが妊娠するだろうが、そういう人たちが、自分の身体、将来、家族の幸せを左右する選択を自分ですることができなくなってしまう。
今回の判決は、妊娠の可能性があるか否かに関わらず米国に住むすべての人たちに影響を及ぼす。あなたの周りにも妊娠中絶をした人がいるだろう。米国に暮らすおよそ4人に1人の女性は、一生に一度は中絶を考える。
この判決の影響で、みなが出産を強要されることになるだろう。その結果、危険を伴う中絶を求める人も出てくるだろう。
今回の判決は、女性、少女ほか妊娠する可能性があるすべての人の身体をコントロールしようとする過去数十年にわたる運動の産物だ。同判決は、かつてはなかった中絶を犯罪とする州法に道を開くことになる。また、避妊対策、ジェンダーや婚姻の平等、各種差別禁止法に影響を及ぼす法案が出される可能性があり、米国の人びとから人権を奪うことにつながりかねない。
多くの人が、この判決に対し怒り、恐れ、痛み、裏切り、悲しみを持ったことだろう。しかしあなたは一人ではない。アムネスティは自分の人生を自分で決めることができる世界を目指して、これからも闘い続ける。
アムネスティ国際ニュース
2022年6月24日
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