日本:元自衛官に有罪判決 性暴力の不処罰に風穴

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2023年12月13日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:日本
トピック:女性の権利

同僚である五ノ井里奈さんへの強制わいせつ罪に問われた3人の元自衛官に、有罪判決が下された。

五ノ井さんは、日本におけるジェンダーに基づく暴力の不処罰の連鎖を断ち切るために、毅然と声を上げた。今回の判決は、五ノ井さんだけでなく、沈黙の中で苦しんでいる多くの日本の性的暴行の被害者全員にとって、稀有な勝利だ。

この画期的な判決は、日本が性犯罪に関する法的改革にようやく取り組み始めたことを示す心強い兆しである。しかし、刑事司法制度と、被害者を非難し貶める風潮の両方を変えるには、まだ長い道のりがある。ジェンダーに基づく暴力の被害者に対する負の烙印と有害な固定概念は根強く、被害者の間に声を上げることへの恐怖が広がっている。この風潮は、排除されなければならない。被害を訴えても棄却されたり不起訴になったりすることも多い。

背景情報

福島地裁は12月12日、同僚の女性・五ノ井里奈さんに性的暴行を加えたとして3人の元自衛官に有罪判決を下した。五ノ井さんは2022年に自身の体験をYouTubeで語り、国際的な注目を集めた。

元自衛官の五ノ井さんは、2023年6月にも5人の元自衛官を相手取り、在職中に性暴力を受けたことによる精神的苦痛と、暴行の防止や適切な調査を怠った政府に対する損害賠償を求める民事訴訟を起こした。

8月に発表された防衛省委託の事後調査報告書によると、自衛隊ではセクハラを含むハラスメント体質が根深いことが露呈した。

日本の国会で6月に刑法改正案が可決され、同意のない性行為は強かんだと、初めて明確化された。また性交同意年齢は13歳から16歳に引き上げられ、強かん(不同意性交罪)の公訴時効は10年から15年に延長された。

アムネスティ国際ニュース
2023年12月12日

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