レバノン:イスラエル軍の攻撃激化で死者数が急増 民間人の保護を

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2026年4月16日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:レバノン
トピック:地域紛争

イスラエル軍が4月8日、「史上最大規模の同時多発攻撃」を実施し、レバノン全土の100カ所を10分以内に攻撃し、数百人の死傷者を出したと発表した。

米国とイスラエルがイランとの停戦合意に達したというニュースを世界が慎重ながらも歓迎してからわずか数時間後、レバノンでは民間人の悪夢がさらに恐ろしいものとなった。3月2日に始まった今回の戦闘以来、今回ほど多くの死者が出た日はない。レバノン南部、ベカー渓谷、ベイルート中心部の民間人居住区で、激しい空爆が繰り広げられた。多くの場合、事前の警告はなかった。搬送されてくる負傷者の数に圧倒された病院は、献血を呼びかけていた。

イスラエル軍が「永遠の闇」作戦と呼ぶこの攻撃以前から、レバノンの民間人は耐え難い代償を払わされてきた。すでに1,500人以上が命を落とし、全国で100万人以上が家を追われた。犠牲者には子ども、医療従事者、ジャーナリストもいた。今回の攻撃は、この壊滅的な人的被害をさらに拡大させている。

アムネスティは、イスラエルが国際人道法に基づく義務を遵守し、民間人の保護を確保することが急務であることを、あらためて強調する。イスラエルは、レバノンで違法な攻撃を行い、民間人の命を歯牙にもかけない姿勢を見せてきた。極めて憂慮すべき状況だが、背景にはイスラエル当局者が自分たちは罰せられることはないと考えていることがある。

イスラエル軍報道官は、ヒズボラの拠点であるベイルート南郊から北ベイルートおよび一般市民が宗派を問わず暮らす市街地へ移動したと警告しており、民間人居住地域でのさらなる攻撃への懸念が高まっている。イスラエル軍は、国際人道法上の義務として、民間人と軍事目標を明確に区別するとともに、民間人・民用物に対する直接攻撃や無差別で過度な攻撃を、いかなる場合も行ってはならない。また、人口が密集する住宅地において広範囲に及ぶ影響を持つ爆発性兵器の使用を避けるなど、民間人や民間インフラへの被害を最小限に抑えるために、実行可能なあらゆる予防措置を講じることが求められる。こうした義務を遵守しないことは、国際法の重大な違反に当たり、民間人の命を差し迫った危険にさらすものだ。

数々の攻撃はまた、イスラエルへの武器供与を各国が直ちに停止しなければならないことをあらためて示す。武器が国際人道法の重大な違反を犯すために使用されるリスクが極めて高いためだ。

ベイルートでの空爆の目撃者は、自宅の向かいの建物が攻撃を受けた後の壊滅的な光景について次のように語った。

「ノートパソコンを掴んで急いで通りに出たが、そこはまさに終末の光景だった。地面には遺体が転がり、至る所に血が流れていた。負傷した大人や子どもは、数えきれないほどだった。他の地区でも同じだった。どこへ行けばいいのか分からなかったが、できるだけ遠くへ逃げようと、あてもなく歩き続けた。悪夢だった」。

背景情報

4月8日、イスラエル軍はベイルート市の南部郊外とティル市に対し避難警告を発し、ザフラニ川以北の地域に向けては大規模な避難命令を再度強調した。

午後2時30分頃、わずか10分の間に、イスラエル軍はレバノン南部、レバノン北部、レバノン山地、ベカー渓谷、ベイルート郊外、およびベイルート中心部において、人口が密集した住宅地や民間インフラを含む少なくとも48カ所に対し、一連の攻撃を仕掛けた。

イスラエル軍は「民間人居住地域の中心部」に位置する「ヒズボラの司令部および軍事施設100カ所」を標的とした連携攻撃を実施したと述べた。イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、この攻撃を「ポケベル作戦」以来の、ヒズボラに対する最大の集中攻撃だ」と表現している。

2024年以降、アムネスティは、イスラエル軍による白リンの使用や、電子機器を標的とした無差別の大規模爆発を記録してきた。レバノンにおけるイスラエルの攻撃は、住宅地への違法な空爆やジャーナリスト、医療施設、救急車、救急隊員に対する攻撃などがあり、民間人の犠牲者を多く出してきた。

また、2024年10月1日から2025年1月26日にかけて、イスラエル軍がレバノン南部において民間施設や農地を広範囲にわたり破壊・損傷させた事実も指摘している。こうした攻撃は、2024年11月の停戦後も相当期間にわたり継続していた。また、ヒズボラがイスラエル国内の民間人が多く住む地域に向けて非誘導ロケット弾を違法に発射し、民間人の死傷や民家の破壊を招いた事実も記録している。

アムネスティ国際ニュース
2026年4月8日

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