大韓民国:中絶をめぐる控訴審判決 法的空白を浮き彫りに

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2026年7月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:大韓民国
トピック:性と生殖の権利

7月23日、ソウル高等裁判所は、妊娠後期に中絶手術を受けたとして殺人罪で起訴されていた女性に対し、無罪判決を下した。この中絶に関連して有罪判決を受けた医療従事者については、有罪判決は維持されたものの、刑期は短縮された。手術を行った医師には懲役2年6カ月が、病院長には懲役4年、罰金150万ウォン(約16万円)、および900万ウォン(約100万円)の没収が言い渡された。

中絶を求めた女性を無罪とする一方で、医療従事者の有罪判決を維持したことで、必要な医療を受ける機会を妨げる制度上の不備が浮き彫りになった。

2019年、韓国の憲法裁判所は中絶禁止を違憲とする判決を下し、国会に対し2020年末までに法律を改正するよう命じた。中絶は非犯罪化されたものの、国会は依然として新たな制度の整備を行っておらず、その結果、妊娠した人びとは、明確な法的保護を受けられず、性と生殖に関する必要な医療が受けられずにいる。

子どもを持つかどうか、いつ持つか、どのように持つかを含め、生殖に関する事柄を自ら決定できることは、人権や尊厳、そして身体の自己決定権を実現するうえで不可欠だ。さらに、自らの身体や性、生殖について主体的に決定できることは、ジェンダー、経済、社会における正義の根幹をなしている。

女性には、最新・最良の医療を受ける権利がある。政府は、安全な中絶手術を受けるにあたっての障壁を取り除く措置を講じるとともに、中絶サービスの提供に関する適切な法整備を進めなければならない。また、母子保健法は、女性の性と生殖に関する健康と権利を優先するよう、直ちに改正されなければならない。

背景情報

2024年6月、26歳の韓国人女性が仁川のクリニックで、妊娠34~36週頃に中絶手術を受けた。彼女は自身の体験や入院の様子をユーチューブの動画ブログ(Vlog)に記録し、それがその後、インターネット上で話題となった。動画が世間の注目を集める中、保健福祉部は警察に事件の捜査を依頼し、「厳罰」を求めた。2026年1月、検察は、この女性に加え、医療関係者および中絶を手配した者らを「計画的殺人」の罪で起訴した。

2026年3月4日、ソウル中央地方裁判所は、女性に懲役3年(執行猶予5年)を言い渡した。また200時間の社会奉仕活動も命じた。手術を行った医師には懲役4年が、病院長には懲役6年、罰金150万ウォン、および11億5,000万ウォン(約1億2,900万円)の没収が言い渡された。中絶の手配に関与した人物のうち1人には懲役1年が、もう1人には懲役10カ月(執行猶予2年)が言い渡された。

アムネスティ国際ニュース
2026年7月23日

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