- 2026年8月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:レバノン
- トピック:死刑廃止

8月11日、レバノン議会がすべての犯罪に対する死刑を廃止する法案を可決した。
この決断は、同国における人権にとって重要な節目であり、勝利だ。正義は取り返しのつかない残酷な刑罰ではなく、人権に基づくべきだ。レバノンは20年以上にわたり死刑執行が行われていなかったが、この一歩を踏み出すことにより、法的な裏付けのないまま続いてきた死刑執行停止が、生命の権利を保障する恒久的な法的保護へと転換される。そして、死刑廃止に向けた世界的な潮流に歩を合わせることになる。
同法の成立は、レバノンの人権活動家や人権団体による数十年にわたる粘り強い働きかけの成果だ。さらには、死刑が残酷かつ非人道的な刑罰であり、しばしば不公正な手続きの末に科され、最も不利な立場に置かれた人びとがその犠牲を強いられてきたことを認めた政府の要人らのリーダシップの証でもある。
今後は、この法律を実効性のあるものとしなければならない。すべての死刑判決を減刑し、死刑廃止に関する主要な国際条約を批准するとともに、尊厳、公平性、人権尊重に基づく司法制度を強化するための広範な改革を推進する必要がある。また、死刑廃止を機に、刑事司法上のあらゆる刑罰が人権原則と整合するよう、より広範な立法改革を進めることも求められる。
背景情報
8月11日、レバノン議会は死刑を廃止し、その代替刑として重労働を科す無期懲役を定める法律を可決した。
レバノンでは、2004年1月17日以降、死刑の執行は行われていない。法務省刑務局によると、2026年1月末時点で、85人が死刑囚として収監されていた。この法律の採択は、レバノンおよび国際的な市民社会によるたゆまぬ取り組みの結果だ。提言活動の最前線に立ってきたのは、レバノン市民権協会(LACR)、レバノン死刑廃止国民キャンペーン、および正義と慈悲協会(AJEM)だ。
2025年10月7日、7人の国会議員が法案を議会人権委員会に提出した。政府内の検討を経て、内閣は2025年11月20日に賛成の意見書を発表した。法案は2026年2月23日に議会人権委員会で承認され、その後、6月2日に議会司法委員会、7月9日に合同委員会でそれぞれ可決され、8月11日に議会本会議で承認された。今後は大統領が最終的に署名した後、官報に掲載されて発効となる。
死刑廃止を確実なものとするためには、当局は、死刑の廃止を目的とする「市民的及び政治的権利に関する国際規約の第2選択議定書」を批准しなければならない。
アムネスティは、犯罪の性質、個人の特質、死刑の執行方法にかかわらず、すべての死刑に例外なく反対する。同法が施行されれば、レバノンはすべての犯罪について死刑を廃止した114番目の国となる。世界では計145カ国が法律上または事実上死刑を廃止している一方で、54カ国が依然として死刑制度を維持している。
アムネスティ国際ニュース
2026年8月11日
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