- 2026年8月25日
- [日本支部声明]
- 国・地域:日本
- トピック:
米国政府が2025年2月付の大統領令に基づき、2026年8月18日、国際刑事裁判所(以下、ICC)所長赤根智子氏およびICC上級法廷弁護士アブドゥライェ・セエ氏に対して、新たな制裁を科しました。このことに、アムネスティ・インターナショナル日本(以下、アムネスティ日本)は深い懸念と強い遺憾の意を表明します。
ICCは、ジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪、そして侵略犯罪を裁くために不可欠な国際司法機関であり、その職員などに対する米国政府の制裁は、国際法の根幹を揺るがす行為です。今回の制裁により、ICCにおける18名の判事のうち、9名が米国によって制裁対象となりました。さらに、ICC裁判所長が今回の制裁対象に加えられたことは、国際司法が平和と正義を実現するための基盤をいっそう深刻に損なう重大な事態です。
今回、米国政府が新たにICCに制裁を科したことは、ICCの独立性と活動を弱体化させる米国の制裁枠組みの前段階が、第1次トランプ政権期の2019年に始まり、2025年以降の第2次政権期において再び継続・拡大されていることを示しています。アムネスティ・インターナショナルは、米国政府がICCの活動能力を体系的に無力化しようとする一連の動きを、国際司法とルールに基づく国際秩序そのものへの深刻な脅威として以前より警告してきました。ICC職員などに対する米国内の資産凍結や渡航禁止などの制裁措置、さらには他国に対するICC脱退や反対の外交圧力など、こうしたICCへの攻撃は、権力者が戦争犯罪や人道に対する罪の責任追及を免れるという不正義を生み出し、国際法の支配を根本から損なうものです。
アムネスティ・インターナショナルは以前より、各国政府に対し、米国政府によるICCへの攻撃に断固として抵抗し、国際司法制度を擁護するよう一貫して求めてきました。しかしながら、ICCへの最大の分担金拠出国であるにも関わらず、日本政府は今回の新たな制裁について「大変残念に思っている」と表明したものの、明確な反対姿勢や撤回要求には踏み込んでいません。こうした状況を踏まえ、アムネスティ日本は、日本政府がICCの独立性を守る明確で一貫した支持を直ちに公的に示し、米国の一連の制裁に反対する立場を明確にしたうえで、制裁撤回を求める外交的働きかけを早急に行うことを断固として求めます。
2026年8月25日
アムネスティ・インターナショナル日本
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