- 2026年9月 3日
- [日本支部声明]
- 国・地域:日本
- トピック:
アムネスティ・インターナショナル日本は、日本国内における米軍基地に関連した人権への影響が繰り返し指摘されている現状を重大な課題として認識し、日本政府に対して人権状況の速やかな検証と制度の見直しを求める。
米軍基地周辺における性暴力や犯罪、有機フッ素化合物(PFAS)汚染を含む環境問題などに関しては、被害の防止、原因究明および救済の在り方について既に国際社会からも厳しい監視の目が向けられており、複数の国連の人権条約機関から再三にわたる勧告を受けてきた。特に、日本国内の米軍専用施設・区域の70%以上が集中し、先住民族の権利および自己決定に関する国際的な議論が存在する沖縄での人権侵害・体系的差別に関しては、近年も国連女性差別撤廃員会が対面審査で追及しており、人種差別撤廃委員会も日本政府へ情報を求める書簡を送っている。
こうした中、2026年8月20日には、米軍基地を抱える全国15都道府県で構成する「渉外知事会」が、事件・事故対応や環境汚染に関する実効的な立入権・法的アクセスの確保に向け、政府へ地位協定の抜本的見直しを求める特別要請を行った。これは沖縄のみならず、日本各地の自治体と住民が直面している構造的な人権課題を浮き彫りにするものである。
さらに、新基地建設の推進においても、影響を受ける地域住民の意思決定への実質的な参画や合意形成が軽視されている現状が懸念事項となっている。
性暴力や犯罪、環境問題、事故を含むあらゆる人権懸念について、米軍基地に関わる事案において法の下の平等が損なわれる事実上の「例外主義」と言える事例が繰り返し指摘されている。
法の下の平等は、国内法・国際人権法における基本原則である。日本の領域内において国内法上の犯罪に関与した者は、公正な裁判を受け、他者と差別なくその責任を問われなければならない。犯罪や環境汚染の被害者もまた、他者と差別なく法の保護を受ける権利がある。現行の日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力および安全保障条約第六条に基づく施設および区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)の運用が、市民の権利保護、適切な調査、司法手続および説明責任の確保にどのような影響を与えているかについて、透明性のある検証が求められる。
アムネスティ・インターナショナル日本は、日本政府に対し、国際人権基準および国連機関の指摘を踏まえ、米国政府との協議を通じて、以下の点について検討を進めることを求める。
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十分な調査
国連の人権条約機関が懸念を表明する性暴力などの犯罪や環境汚染、事件および事故等に関し、速やかに人権状況を検証すること。検証は十分な情報公開と効果的な調査体制に基づいて行われるべきである。
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被害者の司法へのアクセスを確保する体制の構築
米軍基地に関わるあらゆる人権侵害や犯罪行為に関し、被害者が法の保護と迅速かつ公正な救済を受けられる制度を確保すること。とりわけ刑事手続における対応については、暴力やその他の犯罪を行ったとされる者 が、行政協定である地位協定等の規程あるいは運用により、適切に逮捕、起訴、処罰されない、また、それにより被害者が司法制度を利用し法的救済を受ける道が事実上閉ざされるといった事態がないよう確保すること。いかなる協定も、人権侵害の不処罰を容認する根拠となってはいけない。
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調査に必要な情報へのアクセス
日米地位協定の規定と運用、とりわけ国内法の適用および関係当局による十分な情報に基づく調査を可能とする体制について、見直しを検討すること。環境汚染や事故に関する調査においては、関係当局が必要な情報を入手し、施設や区域への立ち入りを確保できる仕組みが重要である。
人権は、いかなる状況においても例外なく尊重されるべきものである。本声明は、日本国内においてすべての人が平等に人権を享受できる制度の確立を求める。
2026年9月3日
アムネスティ・インターナショナル日本
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