イエメン:フーシ派が国連・市民団体の職員を起訴 スパイ容疑で死刑のおそれ

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2026年10月12日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:イエメン
トピック:地域紛争

イエメン北部を実効支配するフーシ派当局が、2026年8月18日以降、人権活動や人道支援に携わる少なくとも8人を、死刑が科される可能性のあるスパイ関連の容疑で刑事訴追している。国連職員2人、国連の専門家1人、保健や人権、人道支援など幅広い分野で国際団体や現地団体と協力してきた5人だ。

フーシ派は、これらの起訴を直ちに停止し、起訴された8人全員、および過去2年間で不当に拘束してきた他の多数の国連職員や市民社会活動家を、直ちに無条件で釈放すべきだ。

2024年5月31日以降、国連職員や市民社会組織で活動していたイエメン人に対する逮捕が相次いでおり、100人以上が恣意的に拘束され、起訴もされないまま、弁護士や家族との面会も認められずに自由を奪われ続けている。今回の起訴は、フーシ派当局が支配地域で行っている市民社会への弾圧が激化していることを示す。拘束された人びとの即時釈放を求めることは、各国政府にとって最優先事項であるべきで、後回しにしてはならない。

拘束の多くは、強制失踪として始まっている。強制失踪とは、個人の自由が奪われ、その拘束が否定されたり、状況や所在が隠蔽されたりして、その人が法の保護の外に置かれる状態を指す。

ヒューマン・ライツ・ウォッチとアムネスティは、被拘禁者の家族を含め、これらの事件を直接知る7人に話を聞いた。

起訴のために移送された8人全員が依然として拘禁されており、健康状態は悪化の一途をたどっている。そのうち少なくとも2人は糖尿病を患っているが適切な医療を受けられておらず、1人は緑内障が懸念される状態にある。また、1人は胃がんを患っており、拘禁中に化学療法を受けている。

家族によると、彼らは、拷問により、あるいは拷問をちらつかせた脅しの下で、スパイ容疑への自白を強要されたとそうだ。

2015年以来、アムネスティは、フーシ派当局がスパイ容疑を利用して政敵を標的にし、平和的な異議申し立てを封じ込めた数十件の事例を明らかにしてきた。ヒューマン・ライツ・ウォッチとアムネスティは、フーシ派が自白を引き出すために拷問を用いた事例も確認している。

「医療や食糧支援を行った、あるいは人権、平和、対話を促進したというだけの理由で、被拘禁者が死刑の危険にさらされているのは、到底許されることではない」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのイエメン・バーレーン担当調査員は言う。

「特に、紛争の中で刑務所が攻撃を受けていることを考えると、不当に拘束されている市民社会メンバーや国連職員の釈放に向け、各国政府が外交努力を強化することが極めて重要だ」

不公正な手続きの末に死刑を科すことは、その刑罰の適用を恣意的なものとし、国際法上の基準に違反すると、両団体は指摘。さらに、国際人権法の下では、死刑の適用を「最も重大な犯罪」に厳しく制限している。これは故意の殺人に限定されると解釈されているが、起訴されている者の中で、そうした行為に問われている者は一人もいない。アムネスティとヒューマン・ライツ・ウォッチは、いかなる事件においても、いかなる状況下においても、無条件に死刑に反対している。

フーシ派が実効支配するイエメンの首都サナアにある特別刑事検察庁に移送された8人は、イエメン刑法の「スパイ行為」および「敵への援助」の容疑で起訴されている。いずれも死刑の対象となる罪だ。また、特別刑事検察は、8人の人道・人権活動について「隠された悪意ある目的」を持って「社会の価値観を破壊する」計画に加担していたとする、あいまいで過度に広範な主張を展開している。

1999年に設立されたサヌアの特別刑事裁判所は、国家の安全保障や公共の利益に有害とみなされる、さまざまな治安関連の犯罪や違反行為について管轄権を有す。フーシ派の支配が強まる中、司法機関に対する支配も強化され、同裁判所は政治的弾圧の手段として利用されている。

8人全員、弁護士との適切な面会が認められていない。

2024年6月6日に逮捕された当時、国連で勤務していたサミ・カラビさんは、がんを患っており、現在、軍病院で化学療法を受けている。深刻な健康状態にもかかわらず、家族との面会は許可されておらず、フーシ派当局は彼の所在を明らかにすることを拒んでいる。

専門家のラビブ・シャイェフさんは、同じく2024年6月6日にサヌアの事務所から連れ去られた。それ以来、家族との面会は2025年8月の1回のみしか許可されていない。拘束中に健康状態は著しく悪化している。糖尿病を患っており、拘束中にB型肝炎に感染したが、適切な医療は受けられていない。検察は、ジェンダーや平和に関連するプログラムなど、現地団体・国際団体での彼の活動について取り調べを行っている。

アリ・アル・ムドワヒ博士は、逮捕当時、ユニセフで専門家として活動するかたわらフーシ派の公衆衛生・人口省の顧問を務めていた。夫から電話で話を聞いた妻によれば、拘禁期間中、当局から「独房監禁、拷問、そして激しい心理的圧力」を受けてきたという。ワクチン接種に反対するフーシ派は、ワクチンが「スパイ活動のための道具に過ぎない」こと、そして「世界保健機関(WHO)に勧誘されたスパイである」と供述するよう彼に強要しようとしたそうだ。

背景情報

2024年5月31日から、フーシ派は支配下にある地域で一連の強制捜査を実施し、国連職員13人と、イエメンおよび国際的な市民社会団体の職員少なくとも50人を恣意的に拘束した。それ以来、フーシ派はさらに数十名の国連職員や市民社会活動家を不当に拘束している。2026年2月時点で、少なくとも73人の国連職員と数十人の人道支援・市民社会活動家がフーシ派の拘禁施設に収容されたままであり、その全員がイエメン国籍者である。

2025年2月11日、世界食糧計画(WFP)の支援活動家1人が、フーシ派による拘禁中に死亡した。フーシ派が被拘禁者に対して拷問やその他の虐待を行ってきたことを踏まえると、この死亡事例は、フーシ派が運営する拘禁施設に恣意的に拘束されている他の人びとの安全と安否に対する懸念を一層高めている。

拘束された人の多くは、逮捕状を示されないまま連行されたうえ、当局が拘束の事実を認めて所在が判明するまで、数カ月にわたり強制失踪状態に置かれた。医療を受けることができた人もいるが、多くは必要な医療を受けられておらず、そのなかには深刻な疾患を抱える人も含まれる。

アムネスティ国際ニュース
2026年10月6日

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