- 2026年10月15日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:地域紛争

停戦合意から1年が経過したが、ガザではイスラエル軍によりこの1年で1,400人以上が殺害され、依然として200万人近くが避難場所を必要としており、完全に機能している病院は1つもなく、140万人が危機的な飢餓に直面している。
10月9日、ガザ停戦合意が成立してから1年が経過したが、100を超える人道支援団体、人権団体、その他の市民社会組織は、停戦は名ばかりのものだと指摘する。イスラエル軍は依然として毎日パレスチナ人を殺害し負傷させており、援助物資、機材、再建資材に対する制限が、生活再建を妨げている。
イスラエル占領下にあるパレスチナの問題に取り組む団体は、停戦合意の陰で、ガザで続く殺害や人びとの窮状が見過ごされてはならないと、警鐘を鳴らす。
「パレスチナの団体は、事務所が破壊され、スタッフが避難を余儀なくされ、予算が厳しくなる中、イスラエル占領下での膨大なニーズに対応している。地域団体や全国的な団体は第一線の対応者であり、今後もその役割を果たし続けるが、私たちには保護が必要だ。各国政府は、イスラエルによる攻撃や私たちの活動への制限を終わらせるために行動を起こさなければならない。援助提供者は現地のニーズにこたえられるよう、柔軟で直接的な資金提供を行うべきだ」(パレスチナNGOネットワーク モフセン・アブ・ラマダン理事)
過去1年間で、イスラエルによる空爆、銃撃、軍事作戦により、少なくとも327人の子どもを含む1,400人以上のパレスチナ人が殺害された。イスラエル当局が遺体の救出に必要な重機の搬入を制限しているため、家族や救助隊員は、多くの場合素手で瓦礫の中から数百体の遺体を回収してきた。さらに多くの遺体が瓦礫の下に埋もれたまま、救出できない状態にある。
また、イスラエル軍は、停戦合意に基づく撤退後の軍事境界線「イエローライン」をガザ内部へと押し進め、パレススチナ人をますます狭く過密な地域へと追いやっている。
「子どもたちが依然として殺され続け、家族が生活を再建できないままでは、停戦は意味をなさない。停戦が発表されて以来、ほぼ毎日1人の子どもが殺害されている。ガザの住民は家族や生活を奪われ続けるという壊滅的な状況から抜け出せず、生活を立て直すこともできない。この合意を支持した各国政府は、影響力を駆使して殺戮を止め、子どもたちが食料、医療、住居、教育を受けられるようにしなければならない。ガザの子どもたちには、安全に生きる権利と未来を築く権利がある。各国政府にはその両方を実現する力がある。それを行使しなければならない」(セーブ・ザ・チルドレン インガー・アッシング最高責任者)
最近の衛星画像から、イスラエル軍が引き起こした壊滅的な被害の規模が見て取れる。住宅街は瓦礫と化し、家屋は押しつぶされ、農地は更地と化している。ガザ全域の建造物の80%以上が被害を受け、そのうち約3分の2が破壊されている。
冬が近づく中、いまだに数十万世帯がテントや仮設の避難所、あるいは被害を受けた家屋で生活しており、寒さ、風、洪水にさらされる4度目の冬を迎えようとしている。現在、ガザの世帯の4分の1近くで世帯主が女性となっているが、こうした家族は安全面や居住環境に問題のある避難所で暮らしている可能性がはるかに高い。
多くの人にとって、安全に避難できる場所はどこにもない。人びとは、被害を受けた崩れ落ちそうな建物に身を寄せている。9月には、ガザ市でこうした建物が崩壊し、12人の子どもを含む21人が死亡した。
「停戦合意から丸1年が経過したにもかかわらず、ガザのパレスチナ人にとって状況がほとんど改善されていないことは、極めて恥ずべきこと。人びとは今も、危険な建物に身を寄せるか、耐え難い気温にさらされるテントで暮らすかという、残酷な選択を強いられている。イスラエルの制限によって、生活再建への一歩を踏み出すために欠かせない機材や資材の搬入が、今も妨げられている。
冬が迫る中、各国政府は支援が妨げられることなく十分に届くよう、具体的な措置を講じなければならない。そうして初めて、パレスチナの人びとがようやく再建への第一歩を踏み出せるようになる」(ノルウェー難民評議会 ヤン・エゲランド事務局長)
こうした制限は、生活に不可欠なサービスにも壊滅的な打撃を与えている。ガザにある36の病院のうち、完全に機能しているものは一つもなく、医薬品、医療機器、燃料は依然として深刻な不足状態にある。保育器に入っている新生児、酸素や集中治療を必要とする患者、高齢者、障がい者、そして人生に深刻な影響を及ぼすようなけがを負った人などは、専門的な治療、リハビリ、支援が依然として著しく制限されているため、深刻なリスクにさらされている。
少なくとも4,000人の子どもを含む18,500人以上の患者が今なお医療搬送を必要としており、1,000人以上がそれを待つ間に命を落とした。
また、140万人が年末にかけても、危機的レベル、あるいはそれ以上の飢餓に直面するとみられている。同時に、安全でない水や壊滅的な状態にある公衆衛生のシステムが、予防可能な病気のまん延を助長し続けている。
停戦合意から1年が経過したが、状況はほとんど変わっていない。家族を失う人は後を絶たず、子どもたちは予防可能な病気で命を落とし続けている。不発弾は今もガザ各地に散在し、瓦礫と化した家屋は撤去も進まないままだ。支援も、それを切実に必要とする人びとには届いていない。停戦合意がもたらすはずだった状況とはほど遠い。2025年9月と2026年6月の二度にわたり、国連調査委員会がイスラエルによるジェノサイドが行われたと結論づけるに至った状況と変わらないのだ。国際社会の責任は、紙上の合意で終わるものではない。
「責任追及を瓦礫の下に埋もれさせることはできない。ガザの復興と未来は、国際法、正義、そして被害者の権利に基づく枠組みと切り離して考えることはできない。イスラエルに責任を問うこともせず、国際司法裁判所の拘束力ある命令の履行を迫ることもできていない状況が、パレスチナ人に対する広範な残虐犯罪を助長し続けている」(アムネスティ・インターナショナル アニエス・カルマール事務総長)
アムネスティ国際ニュース
2026年10月9日
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