パキスタン:非常事態宣言を人権弾圧の口実にしてはならない

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2026年10月20日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:パキスタン
トピック:

カイバル・パクトゥンクワ州で非常事態が宣言され、知事統治が導入された。また、軍隊も配備された。

10月11日、アシフ・アリ・ザルダリ大統領は、同州における「前例のない水準のテロ攻撃」と「憲法に沿った州統治の機能不全」を理由に、パキスタン憲法第232条および第234条に基づき、同州に非常事態を宣言し知事統治を敷くという連邦内閣の勧告を承認した。知事統治とは、州政府の機能を停止し、連邦政府が直接州を統治するという意味だ。非常事態宣言が発令されると、連邦議会(国民議会および上院)は同州に関する法律を可決することができ、連邦政府は集会・結社・表現の自由といった基本的人権を一時停止することができるようになる。

州政府のトップである州首相を含む主要指導者らが恣意的に拘束され、州全域にわたってインターネット通信が遮断されたとの報道もあり、緊急措置が過度なものではないかという懸念がある。国家は、その存立を脅かす公の緊急事態に対応するため、極めて限定的な状況下でのみ人権上の義務を一時的に停止することが、例外的に認められている。しかし、緊急措置を、人権を弾圧したり、異論を封じたり、権力を集中させたりするための「白紙委任状」として使うことは許されない。

大統領通達によると、州議会の権限は連邦議会によって行使され、州首相をはじめ州閣僚、顧問、特別補佐官、州法務長官は職を退くこととなった。これとは別に、連邦政府は憲法第245条に基づき、同州に「文民権力の支援」のためと、国軍(陸軍)を配備した。

軍が過去の対テロ作戦において、強制失踪や超法規的処刑を行ってきたことを踏まえると、陸軍の配備は同州の軍事化をさらに進め、違法な武力行使を招くおそれがある。当局は、通常の警察業務に軍人を投入することを避け、軍が説明責任を果たし、国際人権法・基準を遵守するよう保障しなければならない。

またこの重要な局面において、連邦当局は、緊急事態対応枠組みの下で講じられるあらゆる措置に対し、独立した監視体制を確保するとともに、いかなる緊急措置も状況に対して必要かつ過剰でないことを厳格に保障しなければならない。

背景情報

カイバル・パクトゥンクワ州ではイムラン・カーン元首相率いるパキスタン正義運動(PTI)が2013年以来、政権を担っており、2024年の総選挙でも3分の2の多数を確保している。

アムネスティ国際ニュース
2026年10月12日

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