バーレーン:夜明け前に逮捕された教師、身の安全が懸念される

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2011年10月19日
国・地域:バーレーン
トピック:変革を求める中東・北アフリカ
バーレーン教職員組合の元副組合長であるジュリア・サルマンが18日、まだ夜も明けぬうちに、当局によって強引に逮捕された。彼女は最近、自らが受けた人権権害を公言していた。現在、彼女の身の安全が懸念されている。

ジュリア・サルマンは、機動隊員を含む30人以上の治安部隊によって、自宅から連行された。当局は、バーレーンにあるジュリア・サルマンの自宅に、7台の車両で押し寄せた。伝えられるところによると、治安当局は「彼女の逮捕を命じる裁判所の命令を執行したに過ぎない」といいながらも、正式な逮捕令状の作成を拒んでいるという。

9月、ジュリア・サルマンは、バーレーン政府の転覆を企んだ罪を含むいくつかの罪状で、民間人であるにも関わらず、軍事国家安全裁判所にて有罪判決を受けた。彼女の再審は、12月1日に民事裁判所にて行われる予定である。

「彼女を明け方に強引に逮捕したのは、彼女とその家族を怯えさせ、より恐ろしい思いをさせるためでしょう」とアムネスティの中東・北アフリカ部長のマルコム・スマートは述べた。

「3月にバーレーンで起きた大きなデモの直後、彼女は真夜中に治安部隊によって逮捕されました。拘禁されている間、自分がいかに虐待され、罵られたかを、彼女は私たちに語ったのです。この度の治安部隊の強引な逮捕は、拘禁された彼女の身柄に関し、さらなる不安を否応なく呼び覚まします」

「バーレーン当局はまた、民事裁判所での再審を認められた人びとが保釈される一方、なぜジュリア・サルマンが逮捕されたのか、説明しなければなりません」

「彼女は、国外逃亡の意志を示してはいないものの、自身の拘禁経験や他の人びとの窮状を訴え続けきました。こういった活動ゆえに、彼女は逮捕されたのではないかと疑われています」

今年9月25日、ジュリア・サルマンは3年の禁固刑を受けた。また、バーレーン教職員組合の元組合長であるマーディ・イッサ・マーディ・アブディーブも、彼女とともに裁かれ、10年の禁固刑を受けた。

2人の罪状には、教職員組合での地位を利用して、教師たちに行進やデモを行わせ「体制への嫌悪」を呼び起こし、政権を暴力的に転覆させようとした罪が含まれていた。彼らの裁判は不公平なものだった。

この数週間、ジュリア・サルマンはメディアの取材に応じていた。また、カンファレンスでは、バーレーンでの人権状況について語っていた。

2人は、表現・結社・集会の自由の権利を行使したためだけに拘禁されているのではないかと、アムネスティは懸念している。もしそうであるならば、彼らは直ちに無条件で釈放されなければならず、有罪判決も取り消されなければならない。

「民事裁判所で再審が行われるのであれば、全く新しい調査を行う必要があります。『拷問された』『裁判がないまま拘禁された際に不当に扱われた』 あるいは『自身を有罪とする文書への署名を強要された』といった被告人の申立てについても、調査されるべきです。そして、これらの人権侵害の責任を負うとされた当局の者は、法に基いて裁かれなければなりません」


アムネスティ発表国際ニュース
2011年10月18日

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