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シリア:包囲が生む、飢餓、餓死、戦争犯罪

2014年3月11日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:シリア
トピック:地域紛争

1月31日、包囲が続くヤムルークキャンプで国連の支援物資を待つ住民(C)unrwa.org
1月31日、包囲が続くヤムルークキャンプで国連の支援物資を待つ住民(C)unrwa.org

最新の報告書の中でアムネスティ・インターナショナルは、ダマスカス郊外ヤルムークを包囲し、パレスチナとシリアの人びとを過酷な状態に追い詰めているシリア政府軍の卑劣な戦争犯罪と人道犯罪を明かにした。

シリア危機が始まって3年目を迎えるにあたり、アムネスティは報告書「ヤルムークの息の根を止める包囲網」をまとめた。その中で、軍が包囲網を強化した2013年7月以降、市民への食料や医薬品など必需品の供給が絶たれ、200人近くが死亡したことを明らかにしている。そのうち128人が餓死だった。いかに深刻な人道的危機であるかがわかる。

飢餓に苦しみ、脱出するすべを失い、さらに過酷な状況に追い込まれるという悪循環に陥っている市民の生活は、困窮を極めている。

政府軍とその支援部隊は、ヤルムークの学校、病院、モスクなど非軍事施設を空爆や地上からの砲撃で繰り返し攻撃してきた。攻撃された地域の一部は、紛争で住むところを追われた人びとの避難場所となっていた。

医者や医療従事者も同様に攻撃されている。ヤルムークに残された人びとのうち6割以上が栄養不良だといわれ、住民は何カ月も果物や野菜を口にしていないと訴えた。物価は急騰し、米1キロ当たり100ドル(約1万円)にまで上昇している。

シリア軍は、市民の飢餓を戦争の道具として利用している。これは戦争犯罪である。複数の家族がやむなく猫や犬を口にしたり、狙撃兵が食料をあさる人びとを標的にするという残酷な話が、今や日常の現実となっている。

国連救済事業機関(UNRWA)が、今年1月、2月に断続的にわずかな食糧を供給したが、到着した援助物資は最低限の必要量にもまったく届かなかった。これまでのところ、救援陣の努力は大海の一滴にすぎない。最近、軍による爆撃が開始され、供給がまたもや絶たれた。

病院では最も基本的な医薬品さえ底をついてきた。医療関係者は繰り返し嫌がらせを受けている。少なくとも医師1人が、拘禁中に受けた拷問で死亡したといわれる。

包囲は市民に対する集団処罰にあたる。市民がこのような苦難を強いられるいわれはない。シリア政府はこの包囲網を直ちに解き、苦境にある市民を援助する人道支援組織の自由な出入りを許可すべきである。

人口密集地の包囲の即時解除、人道支援組織の制約のない出入り、人権と国際人道法の侵害の終結を紛争の全当事者に要求する国連安保理決議が、先月可決された。

しかし、包囲下の市民の状況を具体的に改善するまでには至っていない。これまでシリア軍や反政府軍は、国内各地で計25万人の人びとに対して武力封鎖を行ってきた。ヤルムークの包囲はその中でも最悪で、人びとは想像を絶する苦しみの最中にいる。この事態を今すぐ終わらせなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2014年3月10日

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