ロシア連邦:ロシア裁判所の判決で人権NGO閉鎖へ

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2014年4月11日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ロシア連邦
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外国エージェント法を導入したプーチン大統領 (C)AFP/Getty Images
外国エージェント法を導入したプーチン大統領 (C)AFP/Getty Images

サンクトペテルブルグ市裁判所は4月8日、「外国エージェント」登録命令を不服として控訴していた非政府組織(NGO)に対して、控訴を棄却する判決を下した。これはロシアの市民社会全体への、法律による攻撃である。

同国で人種差別と外国人嫌悪の犠牲者のために活動している人権NGOメモリアル反差別センターは、「外国エージェント」の看板を掲げることも、登録拒否で代表が刑事追訴されることも承服できず、活動を停止することを決めた。

裁判所には選択肢が2つあったが、正義と人権に背を向ける決定を下した。
この残念な決定は、ロシア政府がすべての市民社会活動を監視しようとしている一環である。これが先例となり、他のNGOにも適用されうる可能性がある。

メモリアル反差別センターは2012年11月、国連拷問禁止委員会に対して、警察から嫌がらせ受けていたロマ、移住者、活動家らの報告書を提出した。検察当局は、この報告書は、同センターが政治活動に関わった証拠であり、従って新法に従って「外国エージェント」としての登録をしないのは違法であるとして、同NGOを迫害してきた。

このNGOは昨年5月と7月の2度、起訴されているがいずれでも勝訴していた。
しかし、昨年12月、検察が同組織のすべての活動を政治的だとみなし「外国エージェント」としての登録を強制することを求めた新たな裁判では、検察側が勝訴した。

今回の判決後、同センター代表のステファイニア・クライエワさんはアムネスティに落胆した声で次のように語った。

「裁判所の審議は客観性がない。私たちの主張は受け入れらなかった。弁護士は何度も妨害され、検察はやりたいようにできた」

1年ほど前に制定された「外国エージェント法」では、外国から資金提供を受け、定義が曖昧な「政治活動」に関わるすべてのNGOは、外国のエージェント機能を有する組織としての登録が義務づけられ、怠った場合は重い罰金と厳重な行政処分を課される。

同センターに対して敗訴の判決が出たこの日、ロシア憲法裁判所は「外国エージェント法」はロシア憲法に準拠していると裁定した。多くのNGOと人権オンブズマンは、この法律は、ロシア憲法が保護する表現と結社の自由の権利を侵害しているとして異議を訴えてきた。

アムネスティ国際ニュース
2014年4月8日

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