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シリア:シリア軍とロシア軍 戦略として病院を攻撃

2016年3月 4日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:シリア
トピック:地域紛争

© AFP/Getty Images
© AFP/Getty Images

ロシアとシリアの政府軍はこの3カ月間、アレッポ北部の病院などの医療施設を意図的に空爆し、地上部隊の侵攻に向けて地ならしをしているようだ。アムネスティ・インターナショナルが、空爆の状況を調査した結果、明らかになった。

停戦合意にむけた協議を進めている間も、シリア軍とロシア軍は、医療施設への攻撃を強化した。

両軍は、明らかに故意に医療施設を攻撃しており、これは国際人道法に対する言語道断な違反である。戦略が病院の破壊にあるとすると、極めて悪質というしかない。

その結果、アレッポ北部の病院など多数の医療施設が攻撃を受け、医師や看護師数百人が犠牲になった。

アムネスティが得た信頼できる証言から、過去12週間に、アレッポ地方行政区北部の病院、医療センター、クリニックに対し、少なくとも6回の意図的攻撃があったことがわかった。これらの攻撃で、医療従事者1人を含む少なくとも3人が殺害され、44人以上が負傷した。医療施設を狙った攻撃は、戦争犯罪である。

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アムネスティの調査員は、6カ所の医療施設およびトルコとシリアの複数の人道団体の医療従事者と話した。2月に空爆が激しくなり、続々と運び込まれる負傷者の対応に追われているという。

アレッポの北西部の町アナダンとハレイタンの複数の医療従事者の話では、政府の戦略は、地上部隊の侵攻を進めるため、病院やインフラを攻撃して町や村を無人化することだという。

アナダンの医師は「病院、水、電力が、いつも最初に攻撃される。それらが破壊されれば、住民は生活のすべを失う。アナダンでもそうだった」と語った。

アナダンでは2月2日、野外病院と医療センターが攻撃を受け、2月半ばまでには、ほとんどの住民が町を脱出したそうだ。野外病院は何とか稼働しているが、医療センターは閉鎖された。問題は、町を離れることができない人もいることだ。取り残されたのは高齢者で、治療が不可欠な人びとだ。

アレッポ周辺の反政府軍支配地域にある病院は、ロシア軍とシリア軍の主要な標的となってきた。その結果、市民は拠り所とする病院を失い、逃げるしか道がなかった。

聞き取りをした全員が、「攻撃を受けた病院付近には、軍用車も監視所も戦闘員も前線もなく、病院は人道的役割を果たしているだけだった」と話した。

戦闘行為に関わっていない民間人や病院など民間施設への意図的な攻撃は、国際人道法(戦争法)違反であり、戦争犯罪となる。戦争法では、病院など医療施設は特別に保護されている。人道的な役割とは別に、武器の保管など敵対する行為に使用されたときにのみ、その保護を失う。

敵対行為に加担している場合でも、一定の猶予とともに警告を発し、しかしその警告が無視されたときに限り、攻撃が可能となる。

これまでアムネスティは繰り返し、シリアとロシアに国際人道法の順守を求め、ロシアには軍の病院への攻撃など重大な違反に関して、信頼できる独立した調査を行うよう強く要請してきた。

あらゆる医療従事者と医療施設には、特別な配慮と保護を与えなければならない。アレッポ北部の負傷者や病人は、いまや死に瀕しているか、トルコの国境で立ち往生しているかのいずれかだ。病院が戦闘の前線になり、行き場を失ったからだ。国が、市民から医療を取り上げる理由など、どこにもない。病院への無差別な攻撃には、いかなる言い訳も許されない。

アムネスティ国際ニュース
2016年3月3日

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