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イラク:モスルで人間の盾にされた市民多数が犠牲に

2017年7月14日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:イラク
トピック:

アムネスティの調べで、イラク西モスルの戦闘で身動きの取れなくなった市民の犠牲者が、想像を絶する規模にのぼることがわかった。新たに発表した報告書では、「イスラム国」を自称する武装グループが、どのように市民を村々から西モスルの戦闘地域に移動させ、家に閉じ込め、脱出を阻止し、彼らを人間の盾として利用したのかを綴った。また、イラク軍と連合軍側は、盾になった市民を戦闘から守る手立てを打たず、民間人が多く住む地域に対し、使ってはならない武器で集中砲火を浴びせていた。

今年1月から5月半ばにかけての西モスルの戦闘では、多数の市民が犠牲になった。アムネスティの調査員は、西モスルの住民と各方面の専門家ら151人に聞き取りをし、計45回(うち9回はイラク軍と連合軍による攻撃)の戦闘の被害状況などを調べた。45回の戦闘で、少なくとも市民426人が殺害され、100人以上が負傷した。

イラクと連合軍諸国は、モスル奪還の戦闘で多数の市民が犠牲になったことを、直ちに公式に認めなければならない。

「イスラム国」の人権侵害:強制移動、超法規的処刑、人間の盾

昨年10月以来、「イスラム国」は市民数千人を、残る支配地域に移動させ、彼らを人間の盾にした。

「イスラム国」は市民が逃げ出せないように、各戸の出入り口を溶接して塞ぎ、出入り口に地雷を仕掛け、脱出しようとするとその場で射殺した。犠牲になった人の数は、数千人に達する可能性がある。

住民の1人は、アムネスティに次のように語った。「彼らは、発電機を積んだピックアップトラックで自宅前にやってきて、入り口の扉の周囲を溶接で固めてしまった。数百人が逃げ込んでいた建物も同じようにして、出入りできなくしてしまった」

別の男性は、送電用鉄塔を使って逃げようとした住民4人が殺害され、遺体が鉄塔に吊されるのを見たという。「自分たちには、逃げ場がなかった。留まれば、砲弾が飛んできて家の中で死ぬ。逃げようとすれば、捉えられて殺され、見せしめにされる」

イラク軍・連合国軍側の人権侵害:違法な攻撃と低精度の武器・爆発性弾薬の使用

「イラク軍がやって来て、追撃砲とミサイルの攻撃も始まった」(先の住民)

住民を強制的に移し、脱出を阻止したため、西モスルのIS支配地域は、ますます過密化した。戦闘も激しさを増した。イラク軍と連合軍はこの状況を考慮せず、攻撃に命中精度が悪く、広範囲に被害をもたらす弾薬を使ったことも、死傷者数の拡大に拍車をかけた。

攻撃が狙った軍事目標からそれたり、過度に強力な武器を使用したり、目標の精査が不十分だったりしたために、無用な市民の犠牲を招いた。

惨劇の一例が、米軍による3月17日の攻撃だった。モスルのアルジャディダ地区を空爆し、2人の狙撃手を殺害するはずだったが、少なくとも市民105人が巻き添えで命を落とした。

西モスルの住民の一人は、次のように語った。「イスラム国の狙撃手を狙った攻撃だった。1発の攻撃が、2階建ての家を丸ごと破壊するほどだった。砲撃は一昼夜に及び、多くの家々が被害を受けた。1軒の攻撃で、両隣の2軒も破壊された。多数の住民が殺された」

イラク軍と米国主導の連合軍に参加している国々は、「イスラム国」との戦いは、国際法・基準に従った手段を取らなければならなかった。軍事面に焦点を当てるだけでなく、逃げ場を失い、「イスラム国」に苦しめられてきた市民の被害を抑えるよう、配慮をすべきだった。

アムネスティ国際ニュース
2017年7月11日

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