カメルーン:デモ参加者 すし詰めの留置

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2017年10月25日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:カメルーン
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10月1日、カメルーンの英語圏全域で多くのデモがあった。市民20人以上が治安部隊に射殺され、多数が逮捕された。500人以上が過密状態の収容所に拘置され、負傷者多数が、警察から逃れるために病院を出た。

各地で逮捕者が続出した。北西州の州都バメンダでは、少なくとも200人以上が逮捕された。南西州の州都ブエアでは、少なくとも300人が10月1日の抗議行動以来、拘禁されたままだ。

軍を含む治安当局が、不必要で過剰な武力を行使して家屋を破壊し、金品を略奪した。10月3日、ブエアでは、車に催涙ガス弾が投げ込まれ、乗っていた10人ほどが、せき込みながら必至に窓ガラスを割っていた。

分離独立で起訴

目撃者たちは口ぐちに、相次ぐ拘束の結果、刑務所が大変な過密状態になっている様子を語った。ブエアの刑務所の収容者は、9月2日以前は約1,000人だったが、現在は1,500人に膨れ上がった。その中には、分離独立を求めたため、あるいは身分証明書不所持などの容疑で、すでに起訴されている人たちもいる。裁判が始まった人もいる。何人かは、賄賂を支払って放免された。

治安部隊が大量に投入されているため、逮捕を恐れて、せっかく治療を受けられることになった病院を後にする負傷者も多かった。

家族、目撃者、住民らの話を総合すると、少なくとも9つの病院で、重傷にもかかわらず治療が終る前に家族の迎えで病院を出た患者がいた。また、医師の忠告にもかかわらず、逮捕を恐れて退院を望んだ患者もいた。

蔓延する恐怖

医師の証言によれば、警察が逮捕に来るかもしれないという恐怖心から、症状が安定する前に病院から逃げ出した患者もいた。また、治安当局の介入で、死因を銃撃と特定する検視ができなかったケースもあったそうだ。

別の事例では、1人の若者が、デモから退散している時に治安部隊に後頭部を打たれ、死亡した。

治安部隊は、デモ参加者の恣意的な逮捕を全面的にやめるとともに、負傷者が安心して治療を受けられるようにするべきだ。国際機関は、人権監視団と医療スタッフを派遣し、人権状況を調査するとともに、緊急医療を提供すべきだ。

アムネスティ国際ニュース
2017年10月13日

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