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メキシコ:米国と難民協定を結んではいけない6つの理由

2018年9月 7日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:メキシコ
トピック:

多くの人びとが、米政権の難民に対する処遇に怒りを感じている。

暴力が日常化するホンジュラスやエルサルバドルには、米国の庇護を希望する市民が後をたたない。今も、メキシコを経由して米国国境にたどり着き、移民局で難民申請をしている人たちがいる。しかし米国政府は、彼らに対して門戸を完全に閉ざすつもりでいる。そしてそれに、メキシコを加担させようとしているようだ。

この数週間、国境の警備を担当する米国国土安全保障省が、メキシコ側の担当者と会合を持ってきた。協議事項の一つが、難民に関する二国間協定を結ぶことだ。メキシコ経由で米国に庇護を求める難民をメキシコに送還する、という米国案に同意を取り付けようとしている。メキシコを「安全な第三国」とみなし、「安全な国」ならそこが庇護希望者を保護すべき、というものだ。国際法に反するこのような合意が結ばれれば、庇護希望者数百万人が苦しむことになる。

トランプ政権が、その国際的責務をメキシコに転嫁しようとするのは、今回が初めてではない。大統領就任直後、米国の庇護を希望する者は、メキシコで難民申請の結果を待つという措置を提案した。しかし、この提案は、メキシコのルイス・ビデガライ外相から「メキシコを米国の待合室にするのか」と、はなから反発を食らった。

ところが、今回の協議は、少々様相が異なるようだ。米国は、メキシコに多額の見返りを支払う用意があると伝えられている。

もちろん、メキシコにも庇護を希望する人びとを保護する義務があり、相応の役割を果たすことは重要である。とはいえ、メキシコには移住者の権利を保護する上で、どれだけのことをやってきたのか、大きな疑問が残る。

メキシコを「安全な第三国」として、庇護希望者の受け入れを押し付けることは、大いに問題である。その理由を具体的に挙げたい。

  1. 難民を国際的に保護する制度は、各国が相応に責任を負担するという考え方に基づく。大国である米国が、その責任を放棄すれば、非常に危険な前例を作ることになる。米国は、メキシコとともにその役割を果たさなければならない。
  2. メキシコは、難民関連の国際法を破っている。アムネスティが同国の外国籍居住者から得た情報では、メキシコ移民局は、迫害を受けるおそれがある国に庇護希望者を送り返してきた。これは、重大な人権侵害のある国・地域への送還を禁じる国内外の法律に違反する。
  3. メキシコは、非正規で渡ってきた人にとって危険な国だ。人身売買、犯罪組織への引き込み、拉致、ゆすり、性的暴行などは、特に外国籍居住者が直面しやすい問題だ。しかも、米国は、庇護希望者をメキシコ北部の国境地域に送り返そうとしている。そこは、同国でも指折りの犯罪多発地域だ。
  4. 直接、難民申請できなければ、犯罪組織に頼って、米国に不法入国するしかない。その結果、庇護希望者に降りかかる身の危険はさらに大きくなる。一方で、犯罪組織や人身売買関係者は、甘い汁を吸うことになる。
  5. メキシコではなく、米国の保護を必要とする人々がいる。メキシコでは、ラテンアメリカの中でも特にトランスジェンダーの人びとに対する差別と暴力が根強い。そんな国に、トランスジェンダーの人びとを受け入れさせてはならない。
  6. メキシコは、難民申請の処理能力が著しく劣る。昨年メキシコが受理した申請件数は、およそ14,600件だったが、半数以上の人たちが、いまだに結果を待たされている。法律は、申請後45日以内の処理を義務づけているだけに、あまりにお粗末だ。この状況で、米国への庇護希望者をすべて引き受けるなどということができるのだろうか。

アムネスティ国際ニュース
2018年8月28日

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