アムネスティ・インターナショナルは、2011年5月28日に創立50周年を迎え、「創立50周年記念キャンペーン」として、この一年の 間、さまざまなキャンペーンを展開しました。みなさまの活動により、一定の成果をもたらしたこのキャンペーンは、2012年5月で終了しました。

私たちの目指すゴール、「深刻な人権侵害を終わらせること」の実現に向け、日本を含む世界中の国が一丸となって取り組んだこのキャンペーンおよび私たちの活動は、世界中で、確実に変化をもたらしています。
 

「設立50周年キャンペーン」で達成したこと

表現の自由 Freedom2011

女性の権利を求めて脅迫を受けている活動家や、真実を追及して殺されたジャーナリストなど、表現の自由を奪われた多くの人びとを救うアクション、「表現の 自由 Freedom 2011」を、日本支部では特に力を入れて行ってきました。今回取り上げた11のケースの中で、いくつかは、すでに具体的な前進がありました。

  • 政治囚の釈放: 反政府抗議行動に参加したために、8年半の拘禁刑に服していたビルマの労働運動活動家のスースーヌウェさんが、釈放されました。
     
  • 刑務所での処遇改善: アフリカ南部のジンバブエの女性の権利団体「立ち上がるジンバブエの女性(WOZA)」の メンバーは、平和的なデモに参加し、繰り返し逮捕されています。WOZAの女性リーダーのジェニー・ウィリアムズは、刑務所で劣悪な環境に置かれていまし たが、処遇が一部改善しました。

  • 真相解明に向けて前進: ロシアの人権擁護活動家ナタリア・エステミロワさんの殺害に関し、徹底的な捜査と犯人の処罰をアムネスティは求めてきました。ロシア政府は、彼女の死を究明に向けた取り組みを始めました。
     
  • 脅迫からの保護: ノーマ・クルスさんは、グアテマラの首都グアテマラ・シティで、サバイバー生存者)財団という 女性の人権団体の事務局長です。女性に対する暴力事件を立証し、正義のために闘う女性を支援するという活動のために、数多くの死の脅迫を受けてきました。 グアテマラ政府は、彼女を脅迫する団体から守るため動きました。

死刑廃止

2012年1月、モンゴル議会は、死刑制度の廃止を目的とする法案を承認しました。モンゴルのツァキア・エルベグドリ大統領は、モンゴルにおける完全な死刑廃止に向けた重要な一歩を踏み出すことを後押ししたアムネスティに、感謝の言メッセージを届けてくれました。

ニカラグアの女性の人権

ニカラグアでは、強かんと性的虐待が深刻な問題となっています。犠牲者の多くは若い女性と少女です。ニカラグアの女性や少女を救うことを求めたアクションに、5万人以上がアクションを取りました。世界中から寄せられた声は、ニカラグア国内の世論は変化の兆しを見せています。
 

今までの50年、そしてこれからの50年へ

しかしながら、まだまだ世界には、人権侵害が多く残されています。2011年末にビルマでは300人を超える政治囚が釈放されたものの、未だに多くの人びと囚われています。世界では71%の国々が死刑を廃止しましたが、日本を含む57カ国が現在も死刑を行っています。拷問、性的嗜好に基づく暴力は今もなお、世界各国で行われています。

最も暗い場所で、一人ひとりの勇気が光を放ち続ける限り、人びとが人権侵害のために立ち上がり続ける限り、希望の灯は消えません。あらゆる人びとが人権を享受できる世界を求めて、ぜひあなたの力を貸してください。

キャンペーン期間 2011年5月28日~2012年5月27日