7月14日(日)、「世界難民の日(6月20日)」にちなみ、「2013 世界難民の日・関西集会」を開催しました。約120名の方が参加。若い人や、難民問題についてこれから学ぼうという方が多く参加されました。

アムネスティ日本大阪難民チームの中村からの報告です。

イベントは趣旨説明から始まり、その後、阿部浩己教授(神奈川大学法科大学院教授)の講演、15分の休憩の後、パネルディスカッションを行いました。
 

講演「難民認定制度 - その社会的機能と日本の実情」阿部浩己教授

難民条約の基本から、国際社会の変化と難民概念の変遷、日本の認定制度の問題点とその改善提案を網羅してお話しいただきました。具体的な実例も入れ、ポイントを理解しやすく説明。

カナダなどの主要国では人権と民主主義を守ることが社会の柱としてあり、それを基礎とする裁判所や審判機関の判断、強い批判精神をもつNGOなどの存在が難民制度を支えており、逆に日本はそれらすべてが弱く、学術的な貢献も少ない、との指摘がありました。

また、会場からはスノーデン氏について質問があり、阿部教授は世界人権宣言第13条該当及び難民条約加入国ロシアには亡命申請の審査義務があり、少なくともそれをせずにアメリカへ引き渡すことは出来ないと応答されました。
 

パネルディスカッション「難民条約を活かすために私たちにできること」

冒頭、コーディネーターである安藤由香里助教(大阪大学特任助教)が、難民審判にあたる者への研修に関するカナダとケニアのビデオレターを紹介。カナダの場合は最初に3週間の研修の後、担当国別に訓練を受け、当初はアドバイザーとともに判定に関わり、さらに毎月ミーティングや意見・情報交換を行うなど、日本では想像もできないシステムになっていることを報告。また、ケニアではUNHCRによる研修の様子が報告されました。

引き続き安藤由香里助教から、大学での難民関連教育に関すること、難民支援協会や立命館大学のグループが行っている難民出身国の料理紹介による啓発などについて語っていただきました。

弘川欣絵弁護士(全国難民弁護団連絡会議)からは裁判での勝訴率とそれを上げるための応援団の必要性、参与員の研修資料の情報公開を進めることなどを、なんみんフォーラムの石川美絵子さんからは入管との覚書の締結、難民保護法案―論点整理の紹介などがありました。
 

難民申請者からのアピール

最後に、パキスタン、スリランカの難民申請者から、国を去らなければならなくなった状況、入管の取扱いの実状について、どんな問題点があるのかを、実際に語っていただきました。
 

開催日 2013年7月14日(日)
場所 大阪大学会館アセンブリー・ホール
主催 世界難民の日・関西集会実行委員会事務局
RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)
後援 アムネスティ日本
協力 全国難民弁護団連絡会議
特定非営利活動法人なんみんフォーラム(FRJ)
難民ナウ!

 

ヒューマンライツ・サポーターになりませんか?