2月23日(日)、埼玉県加須市にある児童養護施設「光の子どもの家」での子どもたちの生活を記録したドキュメンタリー映画『隣る人』の上映会と、「光の子どもの家」創立者で現在理事長をされている菅原哲男さんをお招きしての講演会を開催しました。

主催者・協力者側の当初の予想をはるかに上回る約180名の方にお越しいただき、大盛況の上映会・講演会となりました。

まず主催者の聖母大学養護学実践研究センターのセンター長である大谷尚子先生からごあいさつがあり、聖母大学の紹介や、最近「こうのとりのゆりかご」で話題になっている慈恵病院とのつながりについてのご紹介がありました。

次に、現職で児童養護施設に勤めているアムネスティ子どもネットワークのメンバーから、児童養護施設についての背景情報の紹介がありました。この話の中では、昨今の児童虐待相談件数の急増や、児童養護施設職員の勤務状況の厳しさについて、客席から驚きの声の上がる場面がありました。

『隣る人』上映

上映会では客席のあちらこちらからすすり泣きのあがる場面もあり、ご好評頂けていたようです。施設での毎日のささやかな生活の中で、菅原さんはじめ職員の方々がどれほどきめ細やかな配慮をされているか、それにもかかわらず、子どもたちの背負わされてしまっている現実がなおどれほど重いかということをとても強く感じさせられました。

また多くのお客様がいらっしゃったこともあり急遽、最前列のさらに前にブルーシートを敷きそこで小さいお子さんたちが座って観ることとなりましたが、その子どもたちの無邪気な反応に、会場の雰囲気もとても和やかになっていたように思います。

菅原哲男さん講演会

20140223_01.jpg菅原哲男さん

上映会後の菅原さんのお話は、とても重みのある含蓄に富んだものでした。
志を失い役所的な仕事に傾きつつある昨今の児童養護施設に対するご批判や、虐待の増加・重症化に対する危機感が語られました。

また(特に施設の)子どもとの接し方について 1.生まれてきてよかったと思えるかどうか 2.生まれてきてよかったともし思えるのであれば、自分の親がどんな親であっても最低限生んでだけはくれたという気持ちを持てるのかどうか 3.「自分だけがなぜこれほど過酷な境遇の中で生まれ育ってこなければならなかったのか」に対する答えを子ども自身が出せるかどうか、というプロセスを念頭に置いて接しているとのお話があり、とても深く考えさせられるお話だったと思います。

その後の質疑応答の時間でも活発な質疑が行われ、少々時間をオーバーしてしまいましたが、大変盛況の中閉会しました。ご来場頂きました方々、菅原哲男さん、聖母大学養護学実践研究センターの方々、それぞれの方々に深く御礼申し上げます。

 

開催日 2014年2月23日(日)
開催場所 聖母大学 2号館講堂
主催 聖母大学養護学実践研究センター
協力 アムネスティ 子どもネットワーク

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