6月15日(日)、アムネスティ日本の東京事務所にて、全2回シリーズ冤罪と死刑2014(その1)を開催しました。主催した、アムネスティ日本 死刑廃止ネットワークチームのメンバーが報告します。

シリーズの第1回にあたるこの講演会は、袴田事件をテーマに、小川秀世さん(袴田事件弁護団事務局長)と寺中誠さん(アムネスティ日本前事務局長)をゲストにお招きし、お二人の講演と参加者の間でのディスカッションというプログラムで行われました。

袴田事件とは、1966年におきた強盗・殺人・放火事件で袴田巌さんが逮捕されたというものです。えん罪の可能性が指摘されていながら、80年に死刑が確定しました。以来46年を拘置所で過ごした袴田巖さん。長い闘いの末、今年3月にようやく再審決定を手にし釈放されたのは、皆さんご存知の通りです。

イベントでは冒頭に、一貫して袴田さんを支えてきた、姉の秀子さんが登壇され、巖さんの釈放当日や現在の様子など、貴重なお話を聞かせていただきました。

続いて、弁護団の事務局長である小川秀世さんが講演を行い、小川さんのお話を受けて、参加者はテーブルごとに感想や意見を述べ合いました。

小川さんからは、証拠の捏造など、取調べや裁判がいかにひどいものであったか、などについてお話いただきました。硬い話にならず、難しい問題をわかりやすい言葉でご説明いただいたので、参加された方にとっては理解がしやすく、また、同時に改めて怒りがこみ上げてきたのではないでしょうか。

休憩を挟んで、アムネスティ日本前事務局長の寺中誠さんの講演、そして再びグループディスカッションと続きました。

寺中さんからは、「国際人権法の観点から見た、日本の死刑制度」というテーマでお話いただきました。 こちらも理解しやすく、その後のディスカッションが活発なものになりました。

全体的に盛りだくさんの内容で、休憩時間にもあちこちで議論がされている様子が見られました。 事件について、報道されている以上に深く知ることができ、死刑制度も含めた問題点について考えるきっかけになったのではないでしょうか。

しかし、検察の即時抗告により、現在は無罪どころか再審開始も正式に決まっていない状態です。無罪を勝ち取るまで、残念ながらこの闘いは終わりません。
 

開催日時 2014年6月15日(日)
主催 アムネスティ・インターナショナル日本

「シリーズ冤罪と死刑2014」は、ソーシャル・ジャスティス基金の助成を受けています。

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