12月14日(日)、シリア難民救済キャンペーン・キックオフイベント「シリアを知ろう」をアーツ千代田で開催、約50人の方がご参加くださいました。
イベントの前半は現地を知るジャーナリスト、安田菜津紀さんと石合力さんによるトーク、後半はチャリティブレスレット作りを行いました。また、休憩時間には中東のお菓子とお茶がふるまわれるなど、盛りだくさんな内容でした。アムネスティ日本 活動担当の山口が報告します。
シリア難民の受け入れ推進キャンペーンがスタート
中東のシリアでは、2011年の紛争がはじまってから、現在まで約330万人が国を逃れ、難民となっています。多くの人びとは近隣諸国に逃れています。しかし、レバノンやトルコでは、受け入れた難民の数はすでに100万人を超えています。そのため、近隣諸国は自国の人口比から考えて経済的にひっ迫するなど、危機的な状況です。
受け入れは、ヨーロッパなどで始まっているものの、世界各国での受け入れが必要です。アムネスティは、今年、シリア難民の受け入れ推進キャンペーンを世界中で展開します。それに先立ち、シリアのことをもっと知ってもらうため、このイベント「シリアを知ろう」を開催しました。
石合力さんのお話
まず、朝日新聞国際報道部長の石合力さんによる、シリアの情勢についてのお話しからスタートしました。紛争が起きる前のシリアの話からはじまり、現在の状況について、実際に取材した方でなければ伝えることができない貴重なお話しをしてくださいました。
難民の中には、紛争から逃れてきた人だけでなく、拷問の被害者もいます。また、政治目的だけでなく、金銭目的の誘拐ビジネスが起きているという衝撃的な話もありました。
安田菜津紀さんのお話
次に、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんが、ご自身の撮影した紛争が起きる前のシリアの美しい写真と、ヨルダンの難民キャンプで撮影した写真を紹介しながら、そこで出会った子どもたちの話をしてくださいました。難民にもいろいろな事情があり、キャンプでの過酷な生活が目に浮かぶようでした。
参加していただいた、学生の方々からは、ジャーナリストのお二人に対し、伝えることのむずかしさについて質問がありました。伝えるだけでよいのか、迷いながら進んできた道のりをお話しくださり、役割分担して社会をよい方向に変えていこうという、とても前向きになる応援メッセージをいただくことができました。
休憩時間には、スタッフ手作りのセモリナケーキ、フムス(ひよこ豆のペースト)などを提供。少し中東の雰囲気を味わっていただけたかもしれません。
また、イベントの後半はブレスレットを手作りするワークショップを開催しました。ブレスレットは、身に着けるもので、シリア難民への応援を思い出していただきたいという思いで企画したものです。アイコンとして、シリア難民応援の気持ちを表すために、1つは自分のため、もう1つはお友達やご家族に渡していただけたらと思います。
真剣に手作業をする方、隣に座る初めて会った方と談笑していた方、みなさん思い思いに楽しんでいただけたのではないでしょうか。
素晴らしいお話しをしてくださった、石合さんと安田さん、参加してくださった皆様、おかげさまでとても楽しいイベントになりました。ありがとうございました!
開催日 | 2014年12月14日(日) |
開催場所 | アーツ千代田 |
主催 | アムネスティ・インターナショナル日本 |