2015年1・2月号のワールドワイド・アピールで取り上げた、月刊ニュース誌「ネーション」の編集者ベキ・マクブさんと、人権派弁護士トゥラニ・マセコが、6月30日に釈放されました。

2014年7月、2人は、法廷侮辱罪で2年の刑を言い渡されました。司法の独立性と高潔さへの懸念を投げかける記事を、トゥラニさんがネーション誌で発表したためです。

逮捕状を出していたのは、記事で名指し批判されていた最高裁長官でした。逮捕直後からずっと勾留され、弁護士との接見も保釈も認められませんでした。裁判は通常の法や手続きをみしして行われました。一方的にそうした判事も、記事で言及されていました。刑を下す時、この判事は「似たような考え方を持つジャーナリストへの警告だ」と言い放っていました。

アムネスティは、不公正な裁判で批判を封じ込めようとする当局のやり方を非難し、ベキさんとトゥラニさんの釈放を求めるアクションを世界中で展開しました。

そして収監から15か月後、抗議活動が功を奏し、ようやく釈放されました。裁判所が、2人に下されたのは不適切な判決であり、有罪は支持されるものではない、と認めたのです。

ベキさんとトゥラニさん、そして2人の家族は、アムネスティのメンバーに深く感謝の意を述べています。彼らの元には何千通もの手紙が届き、獄中での暗かった日々に、自分たちのことを思ってくれた人たちがいたことに大変励まされたそうです。

スワジランドでは政治犯の投獄が後を絶ちませんが、今回の件で、アフリカに長く続く絶対君主制のもとで、表現の自由が勝利を得られたことが示されました。みなさんの力が、この国における表現の自由の実現に向けた第一歩となったのです!

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ベキさんの妻からのコメント

夫が釈放されたと聞いた時は、夢のようで、とても興奮しました。私たち家族にとって夫の逮捕はとても痛ましいものでしたが、これは私たちだけの問題ではなく、国全体の問題です。今回の件で、この国に言論の自由はないと実感させられました。夫がまた逮捕されるのでは、と心配もしています。でも、状況は変わると信じています。子供たちはその変化の兆しを目にしたのです

 

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