パラグアイで義父に強かんされ、妊娠してしまった少女が、8月13日、帝王切開によって約3500グラムの子どもを出産しました。現在、母子ともに無事が確認されています。

妊娠当時、わずか10歳だった少女は身体が十分に発達しておらず、もともと栄養失調と貧血を患っていたため、出産で命を落とす危険もありました。しかし、パラグアイでは妊娠中絶が原則禁止されており、当局は少女の妊娠を継続させる判断を下しました。

提出した署名提出した署名

当局の決定には、国内外に大論争を巻き起こしました。国連の専門家や米州人権委員会もパラグアイ政府に怒りの声をあげました。

アムネスティも世界中で署名活動を実施し、少女の命と健康を守るよう政府に求めました。この活動には、50万を超える人が参加、日本からも3000筆近くの署名が集まりました。

幸運にも、少女と生まれてきた子どもの命は助かりました。しかし、幼い少女にとって妊娠と出産がいかに危険か、また少女が強かんの被害者である事実を承知の上で、人の生命と健康、尊厳を運に任せたパラグアイ当局の対応は、明らかな人権侵害です。

今回に限らず、パラグアイでは同様の事件が多発しています。

パラグアイ政府は、妊娠中絶を厳しく制限する法律を廃止し、少女に対しては、必要なあらゆる経済的・社会的支援、精神的サポートを提供しなければなりません。

パラグアイの女性と少女たちの人権を守り、再び同じようなことが繰り返されないよう、アムネスティはこれからも活動を続けていきます。

アクション実施期間 2015年5月8日~7月1日
要請先 パラグアイ:大統領/厚生大臣/司法長官

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